ムビナナ(劇場版アイドリッシュセブン)をミリしら初見でどハマりした①


仕事に疲れていた。

毎日ヘトヘトで、癒しがほしかった。

非現実な世界に飛び込もうと思い、上映中の映画を調べていると、なんだかキラキラしたポスターに目を引かれた。


『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』


な、長い…。
タイトルの後半を読む気が起きないほどに疲労していた。

アイドリッシュセブンってあれだよね、たしか赤い髪の子が主人公?で…歌を歌う…ゲーム?


アイドルかあ。
いいかもな…。
元気いっぱいなアイドルってエネルギーもらえそう。


アイドルは世代であるAKBしか知らないし、2次元アイドルって実態があまり分からないけど、きっと次元が違えど頑張る姿は同じだろう。


よし、この『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』を観ることにしよう。


上映時間は〜……〈DAY1〉〈DAY2〉…?
え、何?



ググった。
どうやら2日間のライブを行うという形式で、曲とMCが少し変わるらしい。


できればDAY1を観たかったけど、時間的にDAY2の方が都合がよかったのでDAY2にした。
結果的に、これが私の運命を変えることになる。


チケットを購入し、ポスターを眺めた。
人数をカウントする。16名。
アイドリッシュセブンっていっぱいいるんだなぁ。
セブンって何の数字だろ。(アホ)


アイドルといえば推し。
推しをイメージだけで決めてみよう。


うーん、白い子が多い。
見分けつくかなぁ。
あ、この子いいな!髪が赤くて、肩むき出しの子。
アイドルっぽくないけど、ワイルドな感じが好き。


お名前を知りたいけど、ここまで来たらミリしらを貫きたいので検索するのをガマンした。







アイドリッシュセブン、略してアイナナを観ようと決意した数時間後、わたしは映画館にいた。


公開して1ヶ月ほど経っていたし田舎だし平日なので、お客さんは少なめ。

ド新規なので落ち着いて見れそうでありがたかった。2023年6月のことである。


映画が始まり、ライブ前のアナウンスやら、観客の映像やら、本物のライブのような演出に思ったよりテンションが上がった。もうすでに楽しい。


開幕後、アイドリッシュセブンが登場した。
「1!」「2!」「3!」と、1人ずつアピールするところでようやく気付いた。
アイドリッシュセブンは7名のグループなんだ。


えっ、でも、じゃあ残りの9名は誰なの?

疑問を持ちつつ、パフォーマンスを楽しむ。



髪が青い子、声が透き通っててキレイ。癖が全くない。

アイドリッシュセブンってみんな高校生だと思ってたけど違うっぽい。緑の子の落ち着きぶり的に。
眼鏡のアイドルって珍しいな、すごく目を引く。

赤い子はさすがの主人公(?)で、いるだけで画が引き締まる。

水色の大きい子はダウナー系だと思ったらめっちゃ元気だった。
ライブが楽しくてしょうがないらしい。
散歩中に目をキラキラさせているワンちゃんを見ているような幸福感を得られた。


曲は明るいし、みんなフレッシュに元気いっぱい夢いっぱい、楽しそうに歌って踊る姿に「これこれ〜!これを見に来た」と和みながら楽しんだ。

「ジャンプ!」「ハァイ!」「セイ!」「イェア!!」みたいな掛け声も実際に声に出せたら楽しそう。


若さを吸い取る妖怪の気持ちが少し分かった。
若さって眩しい。
そのまま真っ直ぐに育ってほしい。
みんな良い子たちそうだし。(MCの感想)


一曲目のアウトロが凄く好きだった、リズムに合わせてフォーメーション変えてるの見て、あぁ〜アイドルだ、いまアイドルのパフォーマンスを楽しんでるんだ、という気持ちになった。


手を振りながら「ありがとう」と何度も言ってくれていたけど、こちらこそありがとうだよ。


アイドリッシュセブンちゃんが2曲を披露し、ステージから下がった。

この数十分だけでチケット代の元は取れたと思った。
見たいものが見れて大満足だった。

というか残りの時間は何をするんだろう。

あと9名は誰なの?友情出演でフィナーレに登場する感じ?




頭にハテナを飛ばしていると、〈その時〉が来た。


ピーッ

「もしもし?俺だけど」


えっ


「これ聞いたらすぐに連絡して」


えっ


「わかってると思うけど」


はっ、はい


「愛してるから」


画面に目が釘付けだった。
そもそも最初の「ピーッ」音から異質だった。


アイドルの会場で警告音鳴らんでしょ普通。(アイドルの普通を知らないので普通だったらすみません)


何この子たち…………全然笑わないな……?


他の男と話すな、連絡先も消せと歌う彼らを見ながら、先ほどのアイドリッシュセブンちゃんの眩しい笑顔を思い出す。

世界観違いすぎない?アイドルって色々いるんだなぁ……。


「束縛だ?部外者は黙ってろ」
「共依存で結構」


あ、けっこう冷静に客観視してるのね。


と思考を誤魔化す。
だってこんなのハマらない方が難しくない?

激重メンヘラ曲を歌うアイドルって…アリなんですね…。


アイナナちゃん「アイドリッシュセブンで〜す♡^ ^


謎の4人組「俺らだけ愛せよ」


なんですかこの差。
本当に同じ作品の出身?


謎の4人組が歌うメンヘラ曲、後半につれて「離れていくのが怖いんだ」「不安で何も手につかない」みたいな、弱さから来る束縛だったよ的なこと言ってきてさぁ…

そんな殴った後に優しくするDV彼氏みたいな手口……


高身長イケメン「嫌だよ(頭抱え)」



ああーーーーっ 許す。
こんなの許してしまう。



度肝を抜かれながら観ていたらいつのまにか曲が終わって喋っていた。

ズールさんというグループらしい。

ズールさんは自分たちだけ愛してほしくて、人見知りで、仲良くしてるとズールっぽくないらしい。

「1人にはさせないって思うかな」に対して、ミント色の子が「俺も」と言ったあとのニコッと顔で確信したけど、ズールさんはたぶん普通に仲良い。

ベタベタしない感じで売ってるのかな、愛の鎖で繋がれていたけど…(振りの話)


あれっ。ていうか髪の赤い君、私の(1時間前に定めた)推しじゃない?狗丸トウマくんっていうのね。



…………。


ちょっと待って、トウマくん犬歯ある?

私はらんま1/2で良牙、犬夜叉で鋼牙が好きだった女。ガサツだけど真っ直ぐで根は素直な犬歯っ子に弱い。

好きな子に振られがちだったりしない?トウマくん。


トウマくんの犬歯をガン見していたら2曲目がスタート。

EDMっぽくてレーザーライトもノリノリで楽しい〜〜!
観客は縦ノリしてるのかなぁ〜混ぜてほしい。


一緒に揺れたいのを我慢していたらラップが始まった。

ヒェェ格好良い…!!


一緒に腕を上げたいのを我慢していたらアクロバットが始まった。


君たちは何でもできるのか?

意外と抽象的なことを言ってズールさんたちは去っていった。


なるほど、複数のグループが出るのか。
事務所が一緒なのかな。


美しい色合いのライトに照らされて3組目が出てきた。

トリガーさん。最初に名乗ってくれて助かった。


王子様系のホストのような3人組だった。

アイスクライマーを超高級にしたようなモフモフが印象的な衣装。

もしかしてダイヤ…?

装飾が多くてキラキラと輝きながら揺れるのを眺めるのが楽しい。カラスとオタクは光り物が好き。

王子様系というか王子。
貫禄がハンパない。
ダンスも揃っているし余裕があるしベテランなのかな。

すごく華美で気高そうなトリガーさんも気取らずちゃんと盛り上げてくれた。

Wow wow!

初めて聴いたのに何だか馴染みのある曲だった。後に小室哲哉が作曲したと知り驚愕した。



1曲目を終え、喋り始めるトリガーさん。

やっぱりしっかりしている。

小柄の白い子はライブが好きで遠足前の子供みたいにワクワクするらしい。可愛い。


背が高い方の白いお兄さんは強気そうだけどきちんとリードしてくれていた。声が濃厚で3人の歌声に厚みを加えていた。


茶髪の大きいお兄さんは隣の2人が話すたびに全肯定していた。たぶんとても良い人。口調が柔らかいので聞いてて安心する。


お兄さん系アイドルって感じだ、ファン層が高めそう。

3人とも声が特徴的で聞き取りやすいのでナレーションの仕事とかやってそう。



ここでなぜか私の脳内に各グループが彼女の実家へ挨拶に行く光景が浮かんでいた。

以下、現時点での私のイメージ。



【アイドリッシュセブン】
手ぶらで行っちゃうけど愛嬌で乗り越え、実家の両親に気に入られる。お菓子をたくさん貰う。

【ズールさん】
ドモりそう。いちおう用意した菓子折りを出すタイミングを迷っていそう。不器用さが筒抜けで悪い印象を払拭できそう。

【トリガーさん】
菓子折りのセンス抜群、挨拶も完璧で秒で両親に気に入られそう。義父との晩酌で「イケる口だね」と褒められていそう。


ここまで考えて、アイドルなのを思い出した。


トリガーさんの2曲目が始まった。


ファイナルファンタジーみたいな背景に意味深な表情。

ごめん、トリガーさんの世界観は初見にはちょっと難易度高いかも。格式高い舞台のように洗練されてる。

でもトリガーさんがやってること全てが正しいような気がする。トリガーさんに間違いはない。たぶん。


去り際、手を振るのをサッと切り上げたの、この数十分で見たトリガー像と解釈一致だった。

ファンサ安売りしなさそう。
プロだなぁ。



最後に出てきたのはリヴァーレさん。


ラスボスだ!私には分かる。
2人組でやっていけてる事実がもう強者。

ロックな曲調とブロードウェイみたいな舞台が最高にリッチ。
これってアイドルのステージで合ってるよね?

2,000円でここまでのものが見れるのか。

臨場感が凄すぎて2次元との境界線が曖昧になっていたので、本当にライブに参加している気分だった。

10,000円くらい払わないと割に合わない。恐ろしいコスパ。



1曲目が終わり、リヴァーレさんが口を開く。

「リヴァーレでぇす(^^)✌️」

???

演技が上手すぎて、素でもそのキャラが透けて見える俳優さんとかいると思う。
演じてるときのイメージが強烈で、普通に喋ってる方が違和感みたいな。

リヴァーレさんはそんな感じ。

パフォーマンス中とMCの差がありすぎて、同一人物だと脳が認識しない。
恐ろしい2人が出てきた。

メッシュの子、元気系なのね。予想外だった。
パフォーマンスがクールすぎて何キャラでも意外だったと思うけど…。

メッシュの子、9割くらい喋ってる。
ディズニーみたいによく動いてて可愛い。
モモくんと言うらしい。

ポニテの方は後方彼氏面してる。なんか浮世離れしてるからこの方が言うと本当に空飛べそうだな。

と思ったらとんでもないこと言い始めた。


「いつもはモモのために歌うんだけど…」


え、ぜんぜん今日もモモくんのために歌ってもらっていいんだけど…なんかすみませんね…。




私たちのために歌ってくれた2曲目はジャズ系。
サックスが最高。

1曲目と同じ感想になるけどこれってアイドルのステージだよね?
ニューヨークのマンハッタンとかではなく…。

ジャズで楽しくノらせてくれるなんてお洒落すぎる。

モモくん喋り声と歌声が違うからギャップすごいな。
完成度高すぎて私が現場にいれば披露中にコール入れるの躊躇するレベル。

ステージも広々使ってて魅せ方が上手い〜〜。

それぞれ聞くとけっこう個性的な声だけど、2人で歌うと澄んだハーモニーになる。声優さんのキャスティングすごい。

イスが出てきた時にちょっと悲鳴上がってて笑った、玉座だ。

モモくんのダーリン、イケメンだったよ…。
ところでダーリンってなんですか?

(②に続く)

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