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ピーテル・パウル・ルーベンス / メトロポリタン美術館
父
パパが家を出てった
毎晩繰り広げられる夫婦喧嘩
聞くに耐えない、愚かだ
ママはパパを殴った
パパは正当防衛と言わんばかりに
ママを殴った
今まで夫婦喧嘩はしても、
殴り合いには発展しなかった。
その日はディズニーランドに行く前日だった
高揚感を押し付けるようにママの悲鳴が響く
辛かった、苦しかった。
寝ても見れない夢を見ているようだった
これは幻だ。嘘だ。現実じゃない
争いが終わったと思うと、
パパが家を出てった
少し安心してしまった自分が憎い
どうやら、私が生まれた頃からパパは他の女と恋に落ちていたらしい。
気色が悪い。今までの愛は嘘だったのか
死ねばよかった。あの時死ねばよかった、と
ママのお腹の中に居た自分を恨んだ
産まれてきてしまったからにはしょうが無い
生きるしかない
この先、私が父のことをパパと呼ぶことはもう無いだろう。
金銭面的に今も支えてくれているのは感謝している、だが、それ以上に私の心は死んだ。
さよなら、パパ