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ニュアンス

まねきねこというカラオケ屋さんをご存知だろうか。

このカラオケ屋さんは朝うたという制度を取り入れており、店舗によっては室料ゼロ円で数時間昼くらいまで利用ができる。

僕は毎度毎度お世話になっている。

今年からカラオケレベルからフェスを開くので、その練習も兼ねて本当によく利用させて頂いている。

例のごとく今朝も店舗へと出向いた。

店舗着が朝うた開始1分前くらいで、入口の自動扉横の待合ソファに先客の男性が一人いるのが見えた。

この時間にここに座ってらっしゃるということは、この方も天下の朝うた制度を利用に来たお客様であろう。

恐らく受付はこの方の後になるであろうと、待ち順を確認するために受付に足を運んだ。

「いつもお世話になっております。私めruyと申します。天下のまねきねこ様の朝うたという神がかった顧客サービスを本日もご利用させて頂きたいのですが、空室状況はいかがでしょうか。いやー、それにしても本当に素晴らしい制度だと感銘を受けておりまして、いや早世間では不景気だの不況だの円安だの物価高だの騒がれておりますが、如何様にして天下のまねきねこ様はこのような破格のサービスを続けられるのでしょうか。詳し…」

勿論、これは僕の脳内の会話である。

実際は、

「あの…1人なんですが…朝うたを利用したいんですが…(もじもじ)」

多分こんな感じだ。

姿勢と腰は地を這う蟻よりも低くを座右の銘としている僕は伺ってみた。

すると店員様は

「あ、あと1分開始までありまして、1名様ご予約の方がいらっしゃいますので次の順番で宜しいでしょうか」

なんと、丁寧でマニュアル通りスムーズなご回答なのであろう。

危うく神からのお告げかと勘違いするところであった。

それに対しての僕の返答は

「あ、全然大丈夫です。」

と返した。



おい、俺よ。

身分も高校時代学ランのズボンの位置も人より大分低くかった俺よ。

神の使いに対してなんだその言葉遣いは。

そこは大丈夫ですではなく、勿論です!くらいの切り返しが必要な場面だろ。

入口の先客の方も確認しただろ。

何を神に向かって偉そうに「ああ、自分は後で大丈夫なんで」感をあえて出す言葉選びをするんだ。

あたかも譲った感じを出すんじゃないよ。

お前はあとに来たんだから。

咄嗟の語彙力のなさというか、バッタリ大人力のなさというか本当に自分に嫌気がさした。

こういった場面でのちょっとした言葉のニュアンスって難しい。

普段から偉そうにしてる感じが出てると捉えられてもおかしくないし、それは本意では無いから誰も幸せにならない。

はあ、今年齢30歳を目前にしてなお日本語がままなりません。

助けてください。


ウタカタララバイのラップパートとかは口が回るんだけどなあ。。

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