雨の配達員さん
Amazonフレッシュというサービスをご存知だろうか。
所謂、Amazonで生鮮食品を初め、日用品を買うのに便利なネットショップみたいなものだ。
これの良いのは頼んだ2-4時間後には最速で到着するという
「あ、あれ買い忘れた!でも手が離せなくて家から出れないや…」
なんて場合でもすぐに届けてくれる点だ。
昨日もいつものように注文。
11時台に注文し、14-16時の時間指定で頼んだ。
アレヤコレヤ仕事しつつ家のことを片付け、14時が過ぎた。
来ない。
「まあ、時間指定なんて早い時間に来たことないしな」
と思いながら作業を進める。
15時になっても15:30になっても来ない。
さすがに、
「またいつもの時間ギリギリに来るやつか」
と覚悟し、16時をまわった。
まだ届かない。
ドライバー直通の電話がAmazonサイト上に表示されていたので架電すると、札幌の電話番号が出て「この番号は現在使われておりません」という冷たい機械音が鳴った。
さすがにイライラしてきて、なんのための時間指定だと思いつつ16:20分頃に痺れを切らし、幸い昨日は生鮮食品はなく、お米や水といった大物を頼んでいただけだったので家を出た。
雨が降っていた。
荷物が来ない上に雨が降っているという泣きっ面に蜂、僕の心も曇り空模様でアパートの玄関を出た。
すると、1台の軽バンが止まっていた。
もしや、
「あのー、時間指定でAmazonフレッシュ頼んだ者なんですが…」
と、中の人に声を掛けると作業中の海外の方がそこにいた。
「ア、オクレテスミマセン。スコシマヨッテシマッテイマカラオトドケシテモヨロシイデスカ」
勿論です。
と声をかけ、荷物をおろしてる最中、僕が頼んだ5キロの米袋に小さな穴が空いており、0.2合分位のお米が飛び散った。
濡れながら作業する海外のお兄さんは、焦ってどこかにひっかけて穴を開けてしまったようだ。
続けて、おそらく配達完了の合図となるQRコードをスマホで何回読み込んでも正常に反応しない。
指定時間より20分おくれ、荷物をあげることも手伝わせ、お米袋には穴が開き少々こぼれており、QRコードがスマホで中々読み取れず時間がかかる。
そんなちっぽけなこと気にするもんか。
日本でカタコトなりに日本語で接客するその姿は僕の目には美しく見える。
一人旅でよく海外に行く僕は、海外の方が日本に来てくれることだけでその方に対しリスペクトの心を持って接している。
異国で単身頑張るって生半可じゃないし、全員が出来ることじゃない。
別に働いてなくとも海外の方が駅で困っていたら、積極的に声をかけるし、時間があれば目的地まで一緒について行ったりもする。
帰り際に"ありがとうございます"と一緒にブラックコーヒーを1本差し上げた。
気がつくと雨は上がっていた。
うん、今日もいい日だ。