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【Q&A】漫画の技術と自分の歴史語り

こんにちは、るぅ1mm(るぅわんみりめーとる)です。
ちなみに1mmは全角です。Windowsでひらがな入力のまま打っていたのが由来です。みなさんは打ちやすいほうで大丈夫です。

『友人の式日』トークイベントの際の質問に、引き続き答えていきます🌷

ご質問

漫画を描くのはデジタルですか?また、デジタルの場合、使っているアプリはなんですか? いつから漫画家になろうと思いましたか? 絵はいつから描いていますか?

めっちゃつめられてる




その1 漫画の制作環境

下書き~線画


下書き~線画までアナログで描いています。理由は一発で描けて早いからです。そして楽しいからです。

かわいいものに囲まれながら描いている。

使っている道具に関してはこちら↓のnoteを見てね!


トーン~

シェア・ハピ!(『致死量の幸福』/KADOKAWA)

トーンや写植はCLIPSTDUDIO PAINTを使っています。
スキャンしたアナログ線画をワンクリックでトーンを貼れる状態にする便利オートアクションも開発したのでよかったら使ってください♪

最近は見開きでトーンを貼ることが多いです。楽なので。
順番は

  1. スキャン

  2. キャンバスに貼り付けてサイズ合わせて線画にする

  3. 写植(文字打ち)

  4. ベタ

  5. トーン(背景)

  6. トーン(人物)

  7. 描き文字を貼り付ける

です。これを一工程ずつ、全体で進めます。ライン作業みたいな感じ。

最近はやってる作業時間のやつ。「単位」って書きたかった↑

デジタル作業がめちゃくちゃ苦手なので、最近は映画を流して体を無理矢理椅子に縛り付けています。
24pとかを一日で貼ってたんですけど総時間ってどうなってるんでしょうね……?作業時間的には16時~25時とかです(遅起きが故)。
7~9時間かな?

おすすめツール、素材

いつもお世話になってます、ありがとうございます。



その2 漫画を描こうと思ったのはいつか(漫画家を目指したのはいつか)

幼少期

小さい頃から絵や工作が好きだった(らしい)ので、絵は3歳……?とかから描いていたんじゃないかな。
幼稚園ではマーメイドブームが到来していたので、ずっと人魚を描いていました。

のりは友達が描いてたんですけど本当に好きで今も覚えている。

絵は技術的に好きだった気がします。星が描けるようになったりとか、タコが8本足って知ってタコを描き続けたりとか。
「描き方」を知って、習得したから嬉しくて何度も同じ絵を描いていましたね。
女の子を描くのが好きで、小学生に上がってからは中学生までずっと女の子を描き続けていました。

小学生

たぶん小学4、6年生のころには漠然と「漫画が描きたいな~」「漫画家になりたいな~」みたいな感覚があったと思います。
「ちゃお」が大好きでした。この世にはホラー漫画しかないと思っていたところに可愛い女の子たちがいっぱい出てくる恋愛漫画を読んだので、衝撃でした。

小6の漫画です。まんがクラブに入っていたときのやつ。キャラクターは犬の「ルゥ」。

いろいろ見返したら可愛い少女漫画だと思いきや後半から死人が出まくる攻撃力の強い漫画を描いていたようです。
バイオレンスで脈絡もない物語を完全に自分の快楽のためだけに描いていたので「漫画家向いてないな」と思っていました(今思うとむしろその部分がかなり向いている)。


中学生~高校生

漫画家向いてないな~と思ってるのに「なんか漫画家になるかも」みたいな漠然とした感覚で生きてました。
おじいちゃんに「漫画家は、いろいろなことを経験して知識がないとなれない」と教えてもらったので、それが人生の指標になっている気がします。

漫画は人生経験が少ないから描けないなと踏んだので、イラストをよく描いていました。デジタルデビューしたのは中学2年生だったような。

カキカキ掲示板というwebサイトで描いてた絵。
これはたしかAzDrawingで描いたもの。中学生だと思います。
これはもう高校生とかですね。日付書いてて偉い。


高校の図書室で『聲の形』に出会ってから、「そうか、漫画って恋したりバトルしたり殺人が起きないといけないわけじゃないんだ。」と気づきました。
人間関係の面白さとか、そういう部分なら私にも漫画が描けるかもしれない、と思うようになりました。

そして描いたのが『春の臆病』です。画像クリックで投稿ツイートに飛べるよ。

高校3年生のときに描いた漫画。

だいぶ強烈なものを描いてるけど小学生の頃に描いていた少女漫画風バイオレンス陰鬱学園ストーリーよりは丸くなってると思います。


浪人生時代

美大(藝大)を目指して浪人していました。
浪人生の頃は、「何も成せていない自分」の状態が恐ろしすぎて何か作りたくて漫画を描きました。

『この体ひとつぶんの愛を』(『バースデイ』/KADOKAWAに収録)

倫理観終わってる物語ばかりなのですが、とにかく「漫画を描くのって楽しい」という気持ちでした。幼い頃から技術を習得して繰り返すのが好きだったので、それの延長で描いていました。

ジェンダー観に平成の名残がすごくて描きなおしたい気持ちでいっぱい。


大学生

実は、大学に入った時点ではまだ「漫画家になるぞ」とは思っていませんでした。理由は「就職とか職場環境とか人間関係とかを一通り体験してから漫画を描きたい!」と思っていたからです。
しかし、朝同じ時間に起きて電車に乗るのが大学時点でつらすぎて断念しました。
あと会社に入るからには本気でやりたいな~……と思い、不純な気持ちで仕事をするのはいかがなものか、と思ったからです。


卒業制作で漫画を描くぞ!となってから「じゃあ漫画家になろう」と思いました。
長々と人生をたどってきましたが、ここです。漫画家になるぞと決心したのは。

卒業制作『怪獣くん』


結論

漫画を描こうかなと思ったのは小学生、漫画家になるぞ!と思ったのは大学生だと思います。


おわりに

自分の人生と制作が平行しているのでつい自分歴史語りみたいなことをしてしまいました。これもいつか恥として残るのかもしれません。

自分がわりとバイオレンスが好きなんだなぁということを再発見しました。好きというより快楽に近い部分なのですが……。
爆発的な感情の部分が好きなのかもしれませんね。もしくは生々しさがエロティックだからかもしれない。

それと「習得・繰り返し」が自分の性質なんだなぁと思いました。
ここもかなり快楽を求めた行動だと思います。
新しいことができるようになることや、発見することって楽しいですからね。

漫画も「描くことが面白い」を繰り返した後、「面白い話を描きたい」、「自分も楽しく読める漫画が描きたい」という気持ちになっていきました。
今は「楽しく描けて楽しく読める漫画を作りたい」がテーマかもしれません。
これからももっと漫画を好きになっていけたらいいな。

ありがとうございました!
2024.06.10 るぅ1mm

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