暗号資産ATMって?
スロバキアに拠点を置く、暗号資産のマイニングを可能にする分散型データセンター「KELTA」は、最大4種類の暗号資産を同時にマイニングして暗号資産を受け取ることができるプラットフォームを提供しています。
世界に目を向けると普及が進んでいる国が多く、たとえばアメリカではすでに数万台の暗号資産ATMが設置されており、街中ならどこでも気軽に暗号資産を米ドルに替えられます。
エルサルバドルは昨年9月にビットコインを法定通貨化し、そのためにビットコイン用のATMが全土に設置されています。エルサルバドルの場合はビットコインの法定通貨化という特殊な事情があるものの、暗号資産ATM設置では世界に先駆けているといえます。
暗号資産ATMって何?
暗号資産ATMとは、銀行のクレジットカードや現金を使って、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産を購入できる端末のことです。見た目は従来のATMのようなものもあれば、スタンドや壁に内蔵されているものなどバリエーションがあります。
KELTA ATMは現在、スロバキアの首都ブラチスラバ、シャモリン、リプトフスキー・ミクラーシュに設置されています。
2019年まではATMの台数は5,500台にも満たなかったビットコインATMが、2022年8月時点ではすでに、全世界で3万8000台以上も設置されていることに驚く方も多いのではないでしょうか。その利便性のおかげで、現在も数は増え続けています。
暗号資産ATMは、北米で人気があります。全体の87%以上がアメリカに設置されており、ヨーロッパには1,452台しかありません。ヨーロッパの投資家やトレーダーは暗号資産の購入に大きな関心を示しており、多くのヨーロッパ諸国ではすでに暗号資産規制の分野で透明性のある法律が作られているため、アメリカのほうが多いというのは驚きです。
しかし、スイス、オーストリア、イギリスを含むヨーロッパ諸国で、暗号資産ATMの設置が進むにつれてこの差は時間の経過とともに埋まっていくでしょう。実際にブラチスラバ、ブダペスト、プラハで暗号資産ATMが人気を博しています。
KELTAはスロバキアとそれ以外のヨーロッパの国々で暗号資産ATMネットワークを拡大することを検討しています。これらのATMはすべて、KELTAマイニングプラットフォームからの利益の引き出しに対応する予定です。
ATMを使って暗号資産を買うメリットは?
ここでは、ブラティスラバに設置されているKELTAの暗号資産ATMを利用する際のメリットをみていきます。
◆匿名性
多くの暗号資産取引所は、顧客にKYC手続きを要求し、個人データを開示したり写真送ったりする必要があります。暗号資産ATMでのコインの売買は、匿名性を高めることによりプライバシーが保たれています。
◆手数料
暗号資産ATMの欠点は手数料です。多くのビットコインATMの手数料は、Politicoによると、6%~20%だといいます。オンラインプラットフォームでも手数料は5%以上です。これに対して、KELTAの暗号資産ATMの手数料はわずか2.1%です。
ATMを設置する際に気を付けたいポイント
気を付けることは、立地がすべてというところでしょう。
暗号資産ATMは、潜在的な投資家が多く通る場所に設置する必要があります。
実際にブラチスラバが設置しているところは、ショップやレストラン、5つ星ホテル、高級アパートメントなどが入った複合施設です。しかも、肩越しに何をやっているかわからないような、完全なプライバシーが確保できる場所です。
KELTAのCEOであるGeorge Macは、「今後設置するATMも同じ戦略で、高級で親密な場所でありながら、簡単にアクセスできる場所を選びます」と述べています。
暗号資産ATMは、利用者の時間を節約し、プライバシーを保護します。これらは、BTCのアイコンがあるATM使ってみることに説得力があるポイントでしょう。ほとんどの場合、一度暗号資産ATMでコインを買った人は、オンライン取引所に戻ることはないでしょう。
日本でも設置された?
海外では多くの暗号資産ATMが設置されているが、日本では基本的に日本の暗号資産取引所で替えるしかありませんでした。
しかし取引所を通さなくてもビットコインなど主要通貨から日本円に両替ができるATMが、8月2日になってついに設置されました。
このATMを開発したのはガイアという暗号資産取引所の免許も持っている企業で、「BTM」と名付けられた。日本第一号として設置されたのは大阪にあるガイア本社のあるビル内の1ヶ所のみ。
現在日本円に両替ができるのは、ビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、そしてビットコインキャッシュの4種類の暗号資産。
ただ注意しなければならないのは、逆に日本円から暗号資産にすることはできないという点です。
利用上限額は細かく設定されており、1回あたり10万円、1日あたり30万円、1週間あたり50万円、1ヶ月あたり200万円、年間500万円までと決められている。マネーロンダリングなど犯罪行為にも使われることがあると言われる暗号資産なので、制限は厳しくされている。
まだまだ海外のように利便性は高くないですが、今後日本でも従来のATMのように街中で見かけるようになるのも、そう遠くないかもしれません。