BuddyOptical(バディオプティカル)のデザイナー インタビュー / 池原さん、僕といっしょに神保町を巡ってみませんか?(前編)
こんにちは、荒岡です。 今回は、ブランド設立からファッション関係者に高い支持を受けるBuddyOptical(バディオプティカル)のデザイナー 池原さんと神保町を散歩しながらお話を伺いしました。
普段では、なかなか伺う事ができない記事の内容となっておりますので、是非ご覧ください。
(記事本文)
~お茶の水駅の改札にて待ち合わせ~
荒岡 「池原さーん! お久ぶりです!!」
池原さん 「こんにちは! 」
荒岡 「今日は、お忙しい中、ありがとうございます。」
池原さん 「いえいえ、今日の神保町の散歩を楽しみにしてましたよ!」
荒岡 「そう言っていただけるとすごい嬉しいです!! 今日、大阪から着いたばかりですか?」
池原さん 「じつは、ユナイテッドアローズ六本木店さんで自分がやっているブランドの"BuddyOptical(バディオプティカル)"の展示がありまして、数日前にこちらに来てました。」
荒岡 「そうだったんですね。 あの、 早速なんですが、ご案内したいお店がありまして、よろしいでしょうか?」
池原さん 「もちろんです!」
荒岡 「池原さん、じつは、こちらです。」
池原さん 「えっ、駅から近いですね!」
荒岡 「僕の大好きなお店の ”レモン画翠” さんです。 1923年創業の老舗の画材屋さんで、東京藝術大学内にもお店があったりする所なんです。」
池原さん 「へー、そうなんですか! 見るからに面白そう!!」
荒岡 「特に建築模型の取り扱いが多く、”建築にいちばん近い画材店” などとも呼ばれています。」
池原さん「荒岡さん、早く中に入りましょう!!」
荒岡 「はい! 行きましょう!!」
池原さん 「一階は文具関連なんですね。」
荒岡 「そうなんですよ。 僕は文具も買いますが、よくここではポストカードを購入してまして。 池原さん、上の階の建築模型資材とか好きそうじゃないですか? 」
池原さん 「かなり気になりますね! 行きましょうか!」
荒岡 「はい!」
<階段で上の階へ>
池原さん 「おお、いいですね!! これは、欲しくなりますね!」
荒岡 「結構マニアックなんで、池原さんがお好きなんじゃないかと思いまして!」
池原さん 「ありがとうございます!! すでに欲しいものがいくつもありますね!」
荒岡 「なかなか、こういう専門的なものって、見ないですからね!」
池原さん 「いや~気分上がりますね。 あっ、荒岡さん、これ! みてください!」
荒岡 「おお 模型に使うフィギュアじゃないですか!」
池原さん 「めちゃくちゃ、いいですよね! 」
荒岡 「なんか、揃えたくなりますね!!」
池原さん 「すいません、ここにいたら、楽ししくて時間がなくなって、大阪に戻れなくなそうなので、次に行きましょう!(笑)」
荒岡 「確かに! では、神保町方面に行きましょう!!」
<神保町へ向かう>
池原さん「いや~、”レモン画翠”さんは、すごいよかったですね!」
荒岡 「本当に素晴らしいお店ですよね! あの、ところで、もうすぐお昼になるので、ご飯でも食べに行きませんか?」
池原さん 「いいですね!」
荒岡 「神保町は、美味しいカレー屋さんが多く集まっていまして、友人に美味しいカレー屋さんを聞いたので、そちらはいかがでしょうか?」
池原さん 「ぜひ!!」
荒岡 「では、こちらの道です!! あの、池原さん、カレー屋さんに向かいながら、いろいろとお話を伺ってもよろしいですか?」
池原さん「もちろんです!」
荒岡 「池原さんは、生まれが大阪なんですよね?」
池原さん 「はい。 生まれは、日本一長い商店街で有名な天神橋筋の方で、小学校の1年の3学期から豊中市に引っ越しました。 それで20代の前半まで実家で過ごしてました。」
荒岡 「ご実家は? 商売とかされていたんですか?」
池原さん 「家は、町工場をしていました。」
荒岡 「おお! ものづくりですね!」
池原さん 「そうですね。 でも、全然、眼鏡とは関係ないというか、鉄鋼の工場で。 主には、工事なので使用するコンクリートなどを壊すバールを制作している所でした。」
荒岡 「池井戸潤さんの ”下町ロケット” じゃないですけど、家が町工場って、憧れてしまいます!!」
池原さん 「ありがとうございます。(笑) でも、鉄鋼所なんで、小さい時に焼けている鉄に触ってしまい、何度も火傷しました。(苦笑)」
荒岡 「それは、ちょっとデンジャラスですね!(笑) あの、池原さんは、ご兄弟はいらしゃるんですか?」
池原さん 「 男4人兄弟で、僕は末っ子なんですよ。」
荒岡 「男の子の4人兄弟ですか、 なんか活気がありそうでいいですね! あっ、池原さん、こちらのホテルはご存じですか?」
池原さん 「山の上ホテルですよね? 確か、文化人たちがよく利用していた?」
荒岡 「おっしゃる通りです。川端康成、三島由紀夫、池波正太郎など、数多くの方々が利用されていたことで有名なホテルです。」
池原さん 「建物も素晴らしいですよね。」
荒岡 「アールデコ調の感じがいいですよね! 僕たち、多分、ここにいると素敵すぎて、ずっと居てしまいそうなので、とりあえず、カレー屋さんに行きましょうか!」
池原さん 「確かに。(笑) 次に行きましょう!」
荒岡 「池原さん、先ほどの話の続きなんですが、家が鉄鋼のお仕事で、どのようにして眼鏡に興味を持ち始めたのですか?」
池原さん 「眼鏡に興味を持つ前に家が自営業をしていたこともあり、多分、その影響で自分で何かをして暮らしていこうと小さい時から思っていたんですよね。」
荒岡 「なるほど。 」
池原さん 「自分の記憶の中で眼鏡についてよく覚えているのが、ひいお婆さんの眼鏡が家にあって、幼い時に初めてその眼鏡を見た時にすごい綺麗だなと思ったことを鮮明に覚えています。」
荒岡 「それが眼鏡を意識した最初の出来事だったんですね。」
池原さん 「そうだと思います。 そして、初めて眼鏡を掛けるようになったのは、中学で近視になってしまい、親からお金を渡されて買いに行きました。」
荒岡 「僕も初めて眼鏡をかけたのは、中学の時です!! あっ、池原さん、やっと目的地のカレー屋さんに到着しました!」
池原さん 「こちらなんですね。 早速、中に入りましょう~」
荒岡「こちらは、”三月の水”というカレー屋さんで、神田カレーグランプリ2022年の準優勝店で、講談社から発売されている漫画の”カレーマン”にも紹介されているお店なんですよ。」
池原さん 「おお! この激戦区で準優勝しているとは、期待ができますね!!」
荒岡 「早速、オーダーしましょうか? 池原さんは、どれにされますか?」
池原さん 「僕は、無水ベトナムチキンココナッツカレーにします!」
荒岡 「僕は、豚肉と牛肉のたっぷり野菜のキーマカレーにします!!」
(10分ほどして)
池原さん 「おお、カレーが来ましたよ!」
荒岡 「めちゃ美味しそうじゃないですか!!」
荒岡 「では、いただきましょう~」
池原さん 「んー、これは美味しい!! すごい丁寧に作られてますね! 少し濃厚な感じでマイルドな辛さもいいです!」
荒岡 「僕のキーマカレーもすごい美味しいで!! これは、何杯でもいけてしまいます!!」
池原さん 「確かに!(笑)」
荒岡 「こちらのお店は、夜はバーになりまして、お酒も楽しめるんですよ。」
池原さん 「カレーとお酒とは、最高の組み合わせですね。」
荒岡 「おっしゃる通りです! 池原さん、食事が済みましたら、ご紹介したいお店が神保町にはたくさんありますので、次に行きましょう!!」
池原さん 「はい!」
(次のお店に向かう)
池原さん 「いや~、カレー、美味しかったです!」
荒岡 「喜んでいただけて、よかったです! また、次のお店に行くまでに先ほどの話の続きを伺いたいのですが。 眼鏡に興味を持たれた後、どのような経緯で眼鏡業界に入っていったのですか?」
池原さん 「あの、じつは、自分が高校に入った時に親戚が大阪で有名な眼鏡屋さんに勤めていまして。」
荒岡 「そうだったんですか。」
池原さん 「その店が繁華街にありまして。 ファッションも好きだったので、洋服を買いに行ったり、眼鏡を買いに行ったりよくしてましたね。」
荒岡 「それがキッカケで、眼鏡の道に進んでいくんですね。」
池原さん 「はい。 高校を卒業して、眼鏡学校に入学して、その後、眼鏡のセレクトショップに入社しました。」
荒岡 「あっ、小売店に就職されたんですね?」
池原さん 「じつは、眼鏡の道に進もうと思った時からなんですが、眼鏡屋さんをやりたいというより眼鏡のブランドを作りたいと思ってました。 でも、眼鏡を詳しく知るには、小売店に勤めた方が、色々なデザインの眼鏡が見れると思いまして、メーカーではなく、小売店に就職した感じです。」
荒岡 「なるほど! それは、確かに国内外の眼鏡が見れますよね。」
池原さん 「眼鏡屋で6年間働いた後、先ほど、お話した親戚が眼鏡の海外ブランドの代理店をしていたので、そちらで2年ほど、お世話になりました。」
荒岡 「そこで、小売からブランドの仕事に就くわけですね。」
池原さん 「本当に親戚には良くしてもらって。 全国の眼鏡屋さんに一緒に営業に連れて行ってもらったんですよ。」
荒岡 「それは良い経験ですね!!」
池原さん 「その時に全国の眼鏡店に伺って感じたのが、デザインが強い個性的な眼鏡は、なかなか理解されづらいというか、求めている方が多いわけではないだと感じたんですよね。 それは、ブランドを作る上で参考になりました。」
荒岡 「なるほど。」
池原さん 「あと、デザイン性が高い眼鏡は個人的には、好きなんですが、自分が生み出す眼鏡は、しっかり洋服に寄り添えるというか、眼鏡だけ強調されるようなものは自分は作りたくなくて。 洋服とのトータルバランスとして、成り立つものを作りたいと思って、BuddyOptical(バディオプティカル)を始めました。」
荒岡 「そういう経緯だったんですね!! 確かに池原さんの作る眼鏡はどのようなファッションにも調和しやすいですよね!!」
池原さん 「ありがとうございます!」
荒岡 「あっ、 池原さん、お話していたらお連れしたいお店に到着しましたよ!」
池原さん 「ここは?
荒岡 「ここは、靴の修理で有名な”COBBLER'S ARMS”さんです。」
池原さん 「おお、これは面白そうですね。」
荒岡 「では、中に入りましょう!」
池原さん 「店内には、修理、カスタムされてる靴がずらりと並んでますね。」
荒岡 「そうなんですよね。 じつは、”COBBLER'S ARMS”さんは、元は、上野(御徒町)にあったお店で、僕のお店の ”眼鏡とクラフト at RUTTEN_” のご近所さんだったんですよ。」
池原さん 「そうだったんですか。」
荒岡 「うちのお店に来て頂いた方は、ファッションが好きな方が多くて。 中でも靴が好きな方が結構いらっしゃって。 実は、そういった靴が好きな方が、こちらのお店に靴の修理やカスタムを依頼されてるんですよ。」
池原さん 「なるほど、靴愛好が御用達のお店なんですね。」
荒岡 「グッドイヤー ウェルト製法で作られいる革靴のソール直しはもちろんですが、スニーカーのソール直しとかもされていまして。」
池原さん 「本当だ! 荒岡さん、こちら、見てください。 コンバースのソールがビブラムソールにカスタムされてますよ!」
荒岡 「おお、めちゃくちゃカッコイイですね! 今度、僕もコンバース買ったら、ビブラムソールにカスタムします!!」
池原さん 「荒岡さん、すごい影響されやすい人ですね。(苦笑)」
荒岡 「いいじゃないですか! カッコイイじゃないですか! そうだ、こちらの向かい側にも、素晴らしいお店がありまして。 」
池原さん 「そうなんですね。 では、行きましょう。」
(”COBBLER'S ARMS”さんの向かい側にあるお店に向かう)
池原さん 「いや~、先ほどのお店も素晴らしかったですね。 あの、次のお店はこの建物の2階ですか?」
荒岡 「そうです。 こちらのお店です。 どうぞ、先に入ってみてください。」
池原さん 「ああ、ここはカメラ屋さんですか?」
荒岡 「はい! 池原さんが写真が好きなことを知っていたので、こちらをご案内しました。」
池原さん 「なるほど! 実は、僕は写真はすごい好きなんですが、カメラはあまり詳しくなくて。」
荒岡 「そうなんですね。 こちらの”Lomography(ロモグラフィー)”さんは、オーストリアに本社があるカメラのメーカーなんですよ。」
池原さん 「可愛らしいカメラが置いてありますね。」
荒岡 「そうなんですよ。 かなりの種類のカメラを制作されていまして、みてるだけで欲しくなっちゃいます!」
池原さん 「確かに。 あと、フィルムも制作されているんですね。」
荒岡 「”Lomography”さんは、カメラも人気がありますが、フィルムも”Lomography”さんならではのものを制作されていて、通常よりも色鮮やかな仕上がりになったり、紫ががかった写真になったりする特別なものを制作されています。」
池原さん 「それは、面白いですね!」
荒岡 「あと、アートレンズシリーズとして、19世紀に誕生したペッツバール型レンズを現代に蘇らせたというレンズなども作っています。」
池原さん 「ペッツバール型レンズ??」
荒岡 「ペッツバール型レンズは、背景のボケが渦巻き状になるという特徴があるレンズで、いわゆる ”ぐるぐるボケ”ができるレンズなんです。」
池原さん 「なるほど! 面白いですね。 カメラ、フィルム、レンズ、どれも個性的なものを制作されていて、撮影する楽しみが本当に広がりますね!」
荒岡 「おっしゃる通りです!」
池原さん 「ここにいたら、時間忘れてしまいますね。」
荒岡 「池原さん、確かに!(笑) 楽しいので、沼ですね! では、次、いきましょう!!」
(次へ向かう)
池原さん 「”Lomography”さん、すごい面白かったです。」
荒岡 「気に入っていただけて、よかったです。 そうだ、写真つながりで思い出しましたが、確か? 以前に池原さんから写真集から着想したモデルがあると伺ったのですが。」
池原さん 「ああ、”RODEO DRIVE 1984”という写真集ですね。 写真家のAnthony Hernandez(アンソニー・ヘルナンデス)がビバリーヒルズで有名な高級ブランド街 ”Rodeo Drive”を舞台に撮影したもので、当時の空気感が非常に良くて。 そのイメージをフレーム落とし込んで作った”his”というモデルがあります。」
荒岡 「アメリカの80年代を切り取った写真集ですね! 僕も写真がすごい好きなんで、写真集から着想したと聞くとグッときちゃいますね!! 他にも何かありますか?」
池原さん 「あとは、”BETWEEN THE SHELL”という写真集で、写真家 Paul Salvesonが普段、何気なく使われている日用品などがいつもと違った場所で変わった見方をすることにより、固定概念や潜在意識に違和感が生まれ、普段見落としていた側面が見えてくるということをテーマに作られた作品集でして。 その中にあった写真から着想したものもあります!」
荒岡 「いや~、池原さんのお話を伺ってますと、アイデアの源って、本当に無限だなと思ってしまいますね!」
池原さん 「まあ、自分の興味があるものというのが前提なんでしょうが、着想のヒントは世の中に無数もありますよね。」
荒岡 「次にお連れするところは、多分、池原さんにとっては、着想の宝庫だと思いますので、期待していてください!」
池原 「おお!! それは楽しみです!!」
最後までご覧頂き、誠に有難うございます。
次回(中編)は、神保町の中心部を歩きながら、池原さんのデザイン観など、面白いお話を伺いましたので、お楽しみにしていてください。
< 眼鏡とクラフトat RUTTEN_ >
昼の部 12時~19時(物販とカフェ)
夜の部 19時~21時30分(BAR クラフトレモンサワー)
住所 〒110-0005 東京都台東区上野 5-5-10 1F
TEL 03-6284-2675
定休日 月曜日
<URL> https://www.rutten-eyewear.com
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