『あの豆が忘れられない』




遅刻しそうな朝。


皿に移さずパックに入ったままの
納豆を頬張った。


パックを捨てる寸前で
豆がまだ1粒残っていることに気づいた。


が、そのまま捨てた。





通勤電車の中で
ふとあの豆のことを思い出した。


食べられることなく
捨てられてしまったあの豆は


ひどく悲しんだだろうか。


それとも喜んでいるだろうか。

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