映画「怪物」感想 〜怪物とは何のことだったのか(最後にネタバレあり)
※本文の一番下にネタバレがあります。印をつけておきますので、未見の方はそこから先は読まないでください。
これまで見た是枝作品よりひねった構成で、ちょっとミステリチック。本作は脚本が別にあったかららしい。
最初から不穏な雰囲気が漂いまくりでつらくて、先を見たくない気もした。
子供から大人まで、登場人物たちはみんな幸せになりたいと頑張って生きているのに、その誰かが誰かの怪物になってしまう。苦悩させてしまう。
どうしたら良かったのか……考え込んでしまって、その日はよく眠れなかった。
そこいくと、ネコはいい。もちろん、生きていくのは過酷だが、誰も傷つけず、環境も破壊せず(大事)、必要な狩りだけをして生きていく。なのにとてつもなくかわいい。人間はなんと業の深い生き物なのだろう。
その他、小ネタ感想
安藤サクラ、裕福でないはずなのにカジュアルオシャレ。サロペットをそんなに粋に着こなす主婦はなかなかいない。
坂本龍一「aqua」(前から好きな曲)をそこで使うのは反則だろ…😭
田中裕子の死んだ目、すごい…
東京03角田さん、こういう役やらせたら日本のトップ3に入るかも
ここからネタバレあり*****
ネ
タ
バ
レ
退
避
よ
ろ
し
く
2人がqueerなのかどうか、2人の友情は友情以上で恋愛に近いものなのか、私にはちょっとよく分からなかった。LGBTQなんて言葉がなかった昔にも、同性の手を握ってきたりベタベタしたりキスのマネごとをしてくる子はいたから。私がどちらかというと性的マイノリティー問題に関心が薄いというか、「どんな性的意識の人と付き合おうが全然構わないよ」と思う人だからかもしれない。
それより、同じような家庭環境で孤独を抱えた子ども2人が、強く強く、お互いへの愛情を感じた結果なのかなと思った。
エンディングについては、是枝監督が「2人は死んだというふうに捉えられたくない」と言ってたらしい。しかし私には、ああ死んだんだなと思えた。助けに行った人と再会するシーンもないし。でもそのシーン入れたらなんかぶち壊しかな。見た人、どう思いました?