役所広司さん主演はズルい(笑) 映画「銀河鉄道の父」感想
映画「銀河鉄道の父」見てきた。(たぶんネタバレなし)
宮沢賢治の父親が主人公で、演じるのは役所広司さんということで、心が温かくならないわけがない。直木三十五賞受賞の原作がすごく良かったので、楽しみにしていた。
門井慶喜さんの小説はほぼ読んでるくらい好き。彼は書きぶりが素っ気ないところが魅力でもあるが、映画はトシや賢治の臨終シーンなど、少し演出過剰気味。原稿用紙が風に飛ばされるスローモーションとか、要らない。父は原作よりさらに子煩悩で優しくなってたし、最後のシーン(原作にはない)も少しクサい。けどまぁ仕方ないか。全体的には良かった。
最初に父が汽車に乗ってるシーンで、猟銃を持った男が二人乗ってたのはにくい演出。注文の多い料理店だね。
「この映画は泣ける」と言われるとかえって鼻白む私。賢治の臨終のシーンは原作とも異なっていたが、偉大な父に褒められたかった賢治と、一生懸命褒める父には、人の子として涙を禁じ得なかった。
役所広司さんはほんとに優しい父親役が似合う。一方で、坊主頭で痩せてて方言喋っててもやっぱり菅田将暉は菅田将暉で、格好良さを隠しきれてなかったのが残念。この役はいい男である必要はなかった気が。
トシ役の女優さんは、コメディ出演が多かったらしいけど、可愛らしいながらも気の強いところもしっかり演じていて、良かった。
あと、エンディングテーマにいきものがかりは、全く合っていなかった😥 人の最期にしんみりしているのに、いきなり高音の明るい声が入るのはさすがにどうなのか。脳内で手嶌葵を流して打ち消しました😥
私が日本語の曲があまり好きじゃないからかと思ったら、多くの人が「エンディングテーマ曲が合わない」「ぶち壊し」と書いていて大いにほっとした。いきものがかりを使わざるを得ない大人の理由だったのかな。