あした天気になれ
「やればできる!私にできたのだから、あなたもできる!」
という言葉は、ポジティブに伝えようとすればするほど、傲慢に響くような気がします。明るさの中に際立つ闇。
あなたにはできても、やっぱり私にはできないし、そもそもやりたくないし(笑)。その逆の場合もあります。
中学時代の音楽の先生は、ものすごく明るくポジティブ、バイタリティに溢れていて、ふだんの話し方もベルカントで、常におでこから声が出ているようでした。
先生が教えてくださった「今月の歌」として強烈に印象に残っているのが
中島みゆきさんの「あした天気になれ」。
「何につけ一応は絶望的観測をするのが癖です~♪」
「夢もあります、欲もあります、叶うはずなんてないと思います~♪」
そんな感じの、なかなか後ろ向きな(笑)歌詞です。
でも曲そのものは、中島みゆきさんの声質もあいまって、全く暗い曲には聞こえません。
音楽の先生の弾き語りベルカントだと、さらに面白みが加わり、かなりポジティブになることができました。
先生、どうしてこの曲選んだのでしょうか?と当時は疑問でした。今でも疑問です。そのくらいギャップがすごい。
「夢はきっと叶う~夢をあきらめないで♪」系の人生応援ソングも、「今月の歌」にあったのかもしれませんが、全く記憶にありません。この先生(素晴らしい先生です!)から習っていたら、却って絶望してしまうか、反発してしまっていたかもしれません。要するに天邪鬼だったのでしょう。
究極的には、この世に可能も不可能もなく、あなたは私で、私はあなた、の境地に達するような気もしますが、それまでに人は希望と絶望を繰り返しながら歩んでいくのかもしれません。
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