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(2024/06/12/水)地下式横穴墓(原寸大)
本日の画像
地下式横穴墓模型(原寸大)
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本日の画像は、先日(2024/06/09/日)に、宮崎県立博物館で撮影した、地下式横穴墓模型(原寸大)の写真です。
展示スペースを少し離れた位置から撮影すると下記の様な感じです…。
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手前の光っている展示ケースには、先日ご紹介した『朱玉』や、鉄剣・鉄刀等、地下式横穴墓に関連する展示品が展示されていました…
…しかし、この日は撮影していなかった為、後日、又行って撮影してみたいと思います…。
今回紹介するのは、下画像の明るい部分のみです…。
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内部の状況
先ずは、家形に掘られた墓穴(下記画像の明るい部分)から見て行きたいと思います…。
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こちらの見取り図が展示されていました…。
見取り図と見比べつつ観察すると、
墓室の状況が良く解ります…。
墓室の天井は、家の屋根や梁の形状をしていて、個性的で良い感じのデザインだと思います…。
手前に埋葬された被葬者より以前に埋葬された、三人の被葬者の遺骨に赤い顔料が付着している様子が観察できます…。
こちらの墓室内を実際に撮影した写真が、宮崎県立西都原考古学博物館に、確か展示していたと思う(うろ覚え)ので、以前撮影した様な気がするのですが…
スマホが壊れてしまって、今、ここで確認する事ができません…。
ですので、後日、撮影に行きたいと思います…。
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少し判り辛いですが、屋根形の墓室の天井の端に有る窪みに、錆びた鉄剣(模型?)が置かれていました…。
解説文・分布図
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模型の下に設置された展示ケースの中に、地下式横穴墓模型(原寸大)の解説文と分布図が設置されていました…。
この展示ケースを撮影した時、解説文のすぐ横に鉄剣と鉄刀が展示されていたのですが、この時は何故か撮影しませんでした…。
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(原寸大)の解説文
地下式横穴墓模型(原寸大)
起源5世紀半から6世紀にかけて、南九州地方に見られる地下に作られた古墳です。
地表には低い土盛が築かれるものもありました。
地下式横穴墓は、地表から深さ2mほどの竪穴を堀り、そこから横に堀り進んで遺体をおさめる玄室といわれる墓室をつくります。
墓室は切妻屋根の家形にしたり、ドーム形につくります。
この実物大の模型は、亡くなるたびに掘り返し、埋葬がくり返される追葬のようすを再現しています。
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地下式横穴墓模型(原寸大)の原型(?)になったと思われる、立切地下式横穴群が有る場所
ここまで画像を見返して、この地下式横穴墓の実物が有る場所について、何処にも情報が無い為、調査報告書から調べる事にしました…。
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見取り図と見比べつつ観察すると、墓室の状況が良く解ります…。
地下式横穴墓と言う特殊な形態の墓と、上記の図の様な特徴的な束柱のレリーフと、四体の被葬者が埋葬されていた…と言う特徴に合致する物を、先日調べた調査報告書を読み返し、探して見た所……
下記リンクのPDFの17枚目に、特徴が合致する物が有りました…。
全国遺跡報告総覧(奈良文化財研究所)様より
宮崎県の装飾古墳と地下式横穴墓
ダウンロード( 15.9 MB ) モバイル版( 11.5 MB )
副書名 平成7年度前期企画展
編集・発行機関 熊本県立装飾古墳館
※こちらの資料は写真も多く読み易いです。
その古墳は、立切60号地下式横穴墓という名前で、この名前でWeb検索してみると、宮崎県西諸県郡高原町に有る立切地下式横穴群というワードがヒットしました。
場所は、下記の赤い文字の場所だと思われます…。
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立切地下式横穴群に関する調査報告書
遺跡名が分かったので、早速、いつもの様に全国遺跡報告総覧(奈良文化財研究所)様のHPで調査報告書を検索し、調べてみる事にしました…。
すると、1991年に発行された、下記の調査報告書がヒットしました…。
全国遺跡報告総覧(奈良文化財研究所)様より
立切地下式横穴墓群
7968_1_立切地下式横穴墓群.pdf
ダウンロード( 29.0 MB ) モバイル版( 11.3 MB )
7968_2_立切地下式横穴墓群.pdf
ダウンロード( 24.4 MB ) モバイル版( 9.4 MB )
副書名 入木地区団体営ほ場整備事業に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書
編集・発行機関 宮崎県西諸県郡高原町教育委員会
この、地下式横穴墓模型(原寸大)のモデルとなった立切60号地下式横穴墓について書かれている部分は、下記の部分です…
7968_1_立切地下式横穴墓群.pdf
ダウンロード( 29.0 MB ) モバイル版( 11.3 MB )
P87(pdf99/175) 立切60号地下式横穴墓についての解説
P88(pdf100/175) 立切60号地下式横穴墓の見取り図
しかし…地下式横穴墓模型(原寸大)では、被葬者から見ての右手側に墓室への入り口が有りますが……
立切60号地下式横穴墓の調査報告書に書かれた見取り図では、被葬者の左手側に入り口が有る様です。
又、束柱のレリーフも、線対称な位置に有る様なので、模型と調査報告書では、全体的に反転した作りになっている様な気がします…。
たぶん、展示スペースの関係上だったり、見易くする為に反転して展示しているんだろう…と、思うのですが…。
もしかしたら全く別の古墳の可能性も有るので、後日、朱玉について質問する際に、一緒に質問してみたいと思います…。
調査報告書で気になった部分
『「*」型の線刻印』
今回、調査報告書で、気になったのは、下記のP87(pdf99/175)に書かれた、(3)遺物(第70図)という部分です…。
7968_1_立切地下式横穴墓群.pdf
ダウンロード( 29.0 MB ) モバイル版( 11.3 MB )
P87(pdf99/175) 立切60号地下式横穴墓についての解説
その中で、気になった部分を一部抜粋致します…。
60 立切60号地下式横穴墓
中略
(3)遺物(第70図)
中略~
鉄鏃は6点出土した。うち5点は平根圭頭鏃である。
大型鏃と錆着して検出された3点のうち最大幅3.4㎝の一点には『*』型の線刻印が刻されていた。
全形が完成した後、タガネ状のもので数回パンチされて刻印されたものと推定される。裏面にも有る。
現在までに類似の例は報告されていない。
…この文章を読んだ後、『*』型と言う部分が何か…妙に引っ掛かったので、早速、第70図を見て見た所…既視感の有る形だったので驚きました…。
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鏃の両面に彫っていた…
と、調査報告著には書かれていました。
著作権の問題が有る為、調査報告書に記載された画像を直接載せる訳には行かないので…
調査報告書へのリンクと、ページ数をご紹介します…。
7968_1_立切地下式横穴墓群.pdf
ダウンロード( 29.0 MB ) モバイル版( 11.3 MB )
P121(pdf133/175) 立切58号・59号・60号地下式横穴墓出土遺物
しかし、この鏃…以前、宮崎県立西都原考古学博物館で見た様な気がします…。
なので後日、現地に行って調べてみたいと思います…。
……『*』の記号と聞いて、私が思い出すのは、以前紹介した、蓮ヶ池横穴群の線刻壁画です…。
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鏃に刻まれた『*』と同じ様な『Ж』の記号が刻まれています…。
上記壁画の○の部分に刻まれた『Ж』は、上記の鏃に刻まれた『*』型の線刻印と、傾きが逆ですが、かなり似ていると思います…。
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感想
今回も、博物館で気になる展示を撮影し、その写真を元に調べる作業を行ったのですが…
何故か、以前から気になっていた遺物に書かれた『Ж』と、偶然、似た『*』を、偶然見付ける事に繋がりました…。
この様に、気になっている遺物を深堀して調べていると、なにか共通する様な…似ている感じの物を見付ける事がたまに有ります…。
こちらの記号も、調べ物をした先で偶然出て来たと言う所が面白く、なんらかの縁を感じるので……
今後、この『*』記号その物を作品に使用したり…
『*』記号と解らない様に、隠し味として練り込んだ作品を作成したり…
何らかの表現活動に使用したりしてみたいと思います…。
…しかし…この『*』記号の意味が気になるので、今後も自分なりの方法で調べたり、調査報告書を読み進めたり、博物館に行った際、考古学者の方に意見をお伺いしたりして、『*』等の記号の意味を探って行こうと思います…。
……現時点で『*』が当時、どの様な意味で彫られたのか、良く判りませんが…
『*』のデザインの原型になったのは、形状的から見て、星や太陽の『光芒』なんじゃないかな~?という気はしています…。
2024/06/11/2000頃~/06/12/0100頃 ~ 2024/06/12/1240~1326
最近はただの日記になっていますが、自分自身と作りたい作品について更に突き詰めて行きたいので、この作業を暫く続けて行きたいと思います。
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