【読んだ本の感想】【漫画】「秘密 -トップ・シークレット-」(清水玲子 白泉社)
前回のnoteで新ドラマ「秘密〜THE TOP SECRET〜」を楽しみにしているという話を書きました。
早速、原作を読み始めたのですが、これが改めて面白くて衝撃を受けました。
以下、本当に概要のみですがネタバレを含みます。
この漫画の設定は2060年代の日本という、はるか未来のお話です。
その時代では「死者の脳」をスキャンして生前の記憶を可視化する「MRI捜査」という手法が可能になっていました。
それを駆使して、犯罪の真実に迫る「科学警察研究所 法医第九研究室」、通称「第九」のメンバーを巡る物語です。
漫画の発表は1999年から2012年。
今から10〜20年以上前の作品になりますが、それを考えても作画の表現
などはどこかノスタルジックでまるで「昭和」のように思える部分すらあります。
原作者の清水玲子先生の絵は非常に端麗で登場人物たちの美貌とグロテスクな死体の描写が絡み合って、芸術的なまでの魅力を感じます。
電子書籍ではなく、大判サイズの紙で読み直してみたかったのが今回図書館で借り直した理由の一つです。
ここまでの私の稚拙な紹介では「突飛な設定で絵が綺麗な刑事ドラマ」と思われてしまう恐れがありますが、ストーリーはとても練り上げられて複雑な要素が絡みあった繊細で素晴らしいものです。
そして、テーマは発表時であっても、2060年であっても、2025年の現在であっても変わらない、悲しみ、切なさ、残酷さ、恐怖、その中でも見られる一筋の光が貫かれていると思いました。
ドラマ化をきっかけに読み直す機会を与えていただいて、製作者の皆様には感謝いたします。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。