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それぞれの時代を力強く生きる女性アーティストたち 〜なぜ女性アーティストは歴史上少ないのか〜

皆さん芸術、アートは好きでしょうか?好きでも好きでもないという人でも、世界的に歴史的に有名なアーティスト達、ミケランジェロ、レオナルドダヴィンチ、ゴッホなどの名前は聞いたことがあると思います。最近、『美術の物語』(授業で使われたり美大生には有名らしい)という、主にヨーロッパを中心としたアートの歴史について、古代から現代までの流れが簡単に書いてある本を読んだのですが、本に出てくるアーティスト(主に画家)が全員男性だったことに読み終わってから気づきました。

アートの世界は自由で進んでいるように見える反面、かなり男性優位の業界でもあります。現代アートでは有名な女性アーティストも沢山いますが、確かに有名な画家と考えると圧倒的に男性が多い、ということで今日は私が好きな女性画家達をご紹介します。

最初はメキシコの画家、フリーダカーロ(1907-1954)彼女は印象強い太い眉とカラフルなメキシコの服装が有名で、雑誌の表紙になったり(タイトル画像はフリーだ本人)とファッションアイコンとしても知られています。若い頃に事故に合い生死をさまよったり、有名画家の夫の浮気や流産、世界的に有名になり海外にも行くようになる中で感じるメキシコ人としてアイデンティティ(画像1)など女性として生きる自身の人生を作品に反映させています。彼女の人生は映画にもなっているので気になった方は是非見てみてください。『フリーダ(2002)』

ジョージア・オキーフ(1887-1986)はアメリカのモダンアート画家。彼女は砂漠地帯に1人で住んでいたりなかなかワイルドな風景画家。どこか繊細、でも力強く自立しているような作品たち。花をモチーフにした作品が女性器を表しているのではないかと言われたり、フェミニズム運動の中でも有名な画家です。本人はフェミニズム運動には関わっていません。アーティストだけではなく、現代も、女性シェフ、女性監督など男性にはわざわざ『男性』とつけないのに女性には女性○○と言ったりしますが、オキーフも『女性アーティスト』と呼ばれることを嫌がり、ただの『アーティスト』と見られたいと言っていたそうです。 

時代を遡り17世紀イタリアの画家、アルテミジア・ロミ・ジェンティレスキ(1593-1652)正直、こんな昔に女性のアーティストがいたことに驚きました。実際は古代からでも、芸術作品の技術者に女性は多かったようですが、名前が残されるようなことは無かったために現代で知られている昔の女性アーティストが少ないそうです。この時代で女性が画家になる場合は修道女か画家の娘で、アルテミジア・ロミ・ジェンティレスキも画家の娘でした。彼女は師匠である男性画家からレイプされ、それを訴えたところ、身体検査を受けるときに拷問を受けセカンドレイプを受けたことが公文書として残っています。彼女がレイプを受けた後に描いた自画像では拷問に使われるような機械の横に力強く立つ彼女の姿が描かれており、辛い体験を生き抜いた彼女の姿が見られます。ロンドンNational Gallery制作の彼女についてのビデオもオススメです。英語のみ。

ポーランドの画家タマラ・ド・レンピッカ(1898-1980)の作品に出てくる女性達はとてもオシャレでどこか妖艶。1920年代のパリには有名なアーティストがこぞって集まっていましたが、彼女もそのうちの1人。才能があり、美しく、バイセクシュアルだった彼女は作品だけでなく本人も有名になりました。彼女の描く女性達は意志が強く、自身に溢れているようで魅力的。彼女が書いた絵の一つに、当時は男性のものとされていた高級車を女性が運転している作品があったり、女性社会進出の最先端にいたようです。

日本からは上村 松園/うえむら しょうえん(1875-1949)美人画で有名な松園は女性で初めて文化勲章を受章しました。彼女の作品はたまたま図書館で本を見つけて知ったのですが、パステルな色合いがすごく綺麗で和洋が混ざったような雰囲気がとても素敵で見惚れてしまいました。

いかがでしたでしょうか?アートと聞くと難しいと感じる人もいると思いますが、見た目で好きだなと楽しむのもアリですし、アーティストの人生やどうしてその作品を書いたのかなど解説や時代背景を知ると更に面白くなると思います。

上でも書いたように女性アーティストは昔からいましたが、女性には経済的な自由は少なかったでしょうから機会がなかったり、技術はあっても男性とは扱いが違く歴史として記されることが少なかったのでしょう。数年前の動画ですがロンドンの美術館、テート制作のこちらも是非みてみてください。

他にも素晴らしいアーティストは沢山いるので興味があれば是非調べてみてくださいね。それでは。

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