BL小説「ホラーゲームは割りとエロいが、当事者になると『割りと』どころじゃない!」試し読み
アメリカの郊外にある、緑に囲まれ明るく清潔で爽やかな印象を受ける名の知れぬ施設。
その地下深くには極秘で危険極まりない生物兵器の研究が行われていた。
ある日、過って感染をした研究員が「ばれたら実験体にされる」と怯えて、報告せずに施設外へ。
そのせいで施設周辺の町で感染爆発が起こり、あっという間にアメリカ全土、世界中へとウィルスは蔓延。
つぎつぎと人は感染していき、正気を失いゾンビ化。
ゾンビは頭を落とすか吹きとばすかすれば死ぬし、体液、とくに血を体内にとりこまなければ、噛まれても感染しないから、攻撃することも防御することも難しくないはずが、一向に感染の広がりはとどまらず。
というのも、積極的に人に感染させる不届き者がいるから。
それが大学生のロージ。
早い段階で感染したものを、人としての意識、知性や理性を保ったまま。
ゾンビのように肌を腐らせ、ただれさせながらも、グリズリーのような筋肉質な巨体に変貌。
それだけでも特異なケースだが、彼の血がまた特殊で。
人に飲ませると、似たような化け物じみたクリーチャーに、そして忠実な配下になるのだ。
その血を利用し、また見た目どおり、パンチ一発でビルを粉砕するほどの怪力ぶりに物をいわせ、世界征服を目論んでいる。
生きている人間のほとんどをゾンビ化するかクリーチャーの配下にし、人類の数が全盛期の十分の一まで減ったなら、彼らを奴隷やペット扱いして絶対的支配をするという。
そういった明確な目的を持って戦略的に配下を解き放ち、人々が守りを固める拠点を壊滅したり、物資の収集、孤立する人を助ける武装集団を全滅させたり。
一秒でも早く世界制服を達成を成し遂げたいとばかり好戦的なうえ、脳みそが溶けているような白痴なゾンビとちがって頭が回るから厄介。
大学生のころはチェスが得意だっただけあり、腹の中の探りあいや、駆け引きはお茶のこさいさい、休む暇を与えず人間に一泡吹かせるような謀略を巡らせてくる。
そのうえで超人的に強いクリーチャーをけしかけられては、人類の減少を食い止めるのは困難。
なれど、圧倒的不利な状況であっても希望が。
それが日本人の留学生、ケン。
ケンも早々に感染したものを、いつまで経ってもゾンビにならず、もとのすがたを維持して、意識も感覚も変化なし。
どうやら抗体があるらしく、しかも、その血を飲ませると相手も感染しない体となる。
ロージと対照的といっていい特異体質。
聖水とも例えられるケンの尊き血をもってすれば、感染に歯止めをかけられ、人類の数を保つことができ、ロージ打倒のための戦力も確保できる。
ちなみに配下のクリーチャーの血を飲まされても抗体は有効。
ロージの血に抵抗できるかは分からないが、配下を(感染の面で)無効化できるだけでも、恐怖心が減って戦う人間の士気があがるなどのメリットが大。
意図的に感染を広められるのを阻む手段が見つかり、防戦一方だった人類は攻勢にでることに。
ロージの世界征服を食いとめるためにも特殊部隊は人類最後の希望となったケンを護衛しながら、世界中を回って生きのこった人々に血を分け与える旅へ。
自分がプロデューサーとして手がけたアクションホラーゲームで「割とエロい」との変な評判が。
やれやれと呆れながら、ゲームのチェックをしたら主人公に転生?訳が分からないまま敵の魔の手が体に・・・。
ゲーム転生もののBL短編小説です。R18。
グロ描写があるのでご注意。
のちのち短編集に収録予定。
※「ホラーゲームは割とエロいが、当事者になると話はべつだ」とタイトルは似ていますが、別物です。
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