【歌詞】いちごの比喩が紡ぐ夢と恋愛: 華原朋美『I'm Proud』

 華原朋美の「I’m Proud」の歌詞は傑作である。

 それは、「いちご」の比喩表現が非常に効果的であり、際立っているからである。

「届きそうで つかめない いちごの様に
甘く切ない事 夜中(よるじゅう)思い浮かべてた」

 この比喩は、甘さと切なさが同居する象徴として用いられている。また、これは夢と恋愛の2つの側面を想起させる。

 まず、夢におけるいちごは、一見手に入れられそうな夢や希望を示しつつ、それに到達するためにはもどかしさや困難が伴うことを暗示している。届きそうでつかめないという描写は、夢や願望が実際には手が届かないもどかしさを鮮やかに表現しており、その切なさが心に響く。

 また、恋愛におけるいちごは、甘美な期待とそれに伴う不確実性や切なさを象徴している。恋愛において、甘さと同時に感じることのできる苦しみや不安は、この比喩によって的確に表現されている。

 このように、「いちご」というシンプルで親しみやすい果物を用いることで、夢や恋愛に対する期待と現実とのギャップを効果的に描写し、共感を引き出している。

「I’m Proud」は、優れた作品である。

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