【歌詞】蛍の光が描く夢: BUMP OF CHICKEN『firefly』
BUMP OF CHICKENの「firefly」の歌詞は、
秀逸である。
それは、蛍の比喩が見事に、夢を追求する過程での複雑な感情を繊細に描き出しているからである。
蛍は夢や希望、そしてそれらを追いかけることの象徴として機能しており、その光は一瞬の輝きや儚さを表現している。
冒頭で、蛍のような欲望が「ハートから抜け出して」飛び始めるという描写は、夢が心から生まれ、それが現実となるために追いかけるプロセスを象徴している。「逃げるように飛び始めたものが 夢になった」は、夢が手の届かないものであること、そしてそれを追い求めることが物語となっていく過程を見事に表現している。
「微かな金色に 必死でついていった」は、暗闇の中で僅かな光を頼りに進んでいく姿を描写している。この金色の光は、希望や目標を象徴し、それを追い求めることが人生の意義であることを示唆している。
「綺麗な 光に会えた」は、その光(希望や夢)に実際に出会えた喜びや達成感が表現されているが、その後の展開では、その光がまた消えてしまうこと、そしてその消えた光を探し続けることの難しさが描かれている。
これは、人生の中で目標を達成したとしても、次の目標や挑戦が待っていることを暗示している。
「諦めたこと 黄金の覚悟」という表現も非常に力強く、何かを諦めることが単なる失敗や挫折ではなく、その背後にある覚悟や決意が金色に輝く価値を持つことを示している。
ここでの「黄金」は、内面的な成長や達成感を象徴していると言える。
この歌詞は、夢や希望を追いかけることの儚さや苦しさ、そしてその先にある光の美しさを描いており、夢を追う過程での複雑な感情や葛藤を巧みに表現している。
蛍という見事な比喩が、その魅力を一層引き立てていると言える。