【歌詞】見えない世界を映し出す光: BUMP OF CHICKEN『プラネタリウム』

  BUMP OF CHICKENの「プラネタリウム」の歌詞は、秀逸である。

 それは、プラネタリウムという比喩を通じて、夢という無意識の世界を巧みに描いているからである。

 心の中にある「実在しない星」や「僕しか知らない星」という表現が、独自の夢や希望、あるいは孤独な願望を象徴している。

「消えそうなくらい 輝いてて」
「一番眩しい あの星の名前は 僕しか知らない」

 主人公が抱える強い思いを表現しつつ、それが現実の手に届かないものであることを暗示している。これにより、夢や希望がいかに儚く、同時にどれほど強烈であるかを感じさせる。

 また、「やめとけば良かった」「本当に届いてしまった」といった後半部分の歌詞は、夢や理想が現実と対峙する瞬間の葛藤を描き出しており、夢を追い求めることの甘美さと苦しさを浮き彫りにしている。

 夢見ることの素晴らしさと、それが時に抱える危うさを、プラネタリウムという閉じられた空間の中で見事に表現しており、まさに見えない無意識の世界を描き出す詩的作品だと言える。

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