【歌詞】迷える旅路: BUMP OF CHICKEN『ロストマン』
BUMP OF CHICKENの歌詞「ロストマン」は、傑作である。
それは、夢の追求における迷いと、それに伴う孤独と希望を見事に描いているからだ。
「迷子だって気付いたって 気づかないふりをした」
人はしばしば自分の迷いや不安を直視することを避ける傾向があることを表現している。
これは、人が人生の旅路で感じる不安や不確実性を象徴しており、迷いながらも進み続けることの重要性を示している。この「迷子」になっていることを認識しながらも、あえて「気付かないふり」をすることで、現実に対する自己防衛の姿勢が浮かび上がる。これは、誰しもが経験する心の葛藤を捉えた表現だ。
また、「不器用な 旅路の果てに 正しさを祈りながら」は、完璧ではない自己の旅路を象徴している。人は常に正しい選択を望みながらも、必ずしもそれを実現することはできないという現実を受け入れる姿勢が表れている。
ここでの「不器用な旅路」という言葉は、自己の不完全さや人間らしさを強調しており、だからこそその旅の終わりに正しさを祈るという行動がより一層切実に響く。
不安や迷い、そしてそれを乗り越えようとする強い意志を描く見事な作品である。