【歌詞】鐘 : acidman『バックグラウンド』/ BUMP OF CHICKEN『メロディーフラッグ』に見る迷いと無意識
人生という旅路は、しばしば私たちを迷わせる。どの道を選ぶべきか、どの声を聞くべきかを決定することは困難であり、選択の結果が未来にどのような影響を及ぼすかは予測不可能だ。
Acidmanの「バックグラウンド」と、BUMP OF CHICKENの「メロディーフラッグ」の二つの曲は、傑作である。
この両曲は詩的な表現を通じて、この人生の迷いと、その中に存在する「無意識」のメッセージを見事に聴き手に伝えるからだ。
Acidmanの「バックグラウンド」では、"鐘"の音が背景に静かに響き渡る。
「バックグラウンドに隠れて
バックグラウンドで息を吸う
バックグラウンドに響く鐘が
バックグラウンドで答えを知って」
私たちが認識しない内面的な感情や思考を象徴している。
また、
「狂う拡張リズムの中
僕は聞こえてないふりをして」
から、
「狂う拡張リズムの中
君は最後に小さくうなずいた」
へと変化する歌詞は、私たちが人生の道のりで遭遇する迷いや不確実性に対する内なる直感や本能の変化を反映している。
この曲は、自分自身の「無意識」に対して耳を傾け、それに従うことの重要性を示唆する。
一方、BUMP OF CHICKENの「メロディーフラッグ」では、
「響く鐘の音の様な
あのメロディーはなんだっけ」
に見られるように、鐘の音はより普遍的なエコーとして響き渡る。それは、私たちが人生の道のりで迷い、選択を迫られる瞬間に、私たちの深層心理から湧き上がる普遍的な感覚を象徴している。
そして、
「変わる景色に迷う時 微かな音が目印になる」
から、
「消える景色のその中に 消せない旗がある」
へと展開する歌詞は、迷いの中で困難を乗り越え、自己確認を行う過程を描いている。その結果、人生の道のりで迷ったり立ち止まったりする中でも、一歩ずつ前進し続ける希望と勇気を与えてくれる。
この二つの曲は、"鐘"のメタファーを通じて、音楽が私たちの深層心理に触れ、人生の迷いと向き合う際の道しるべになる力を巧みに描き出す優れた作品である。