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#BUMPOFCHICKEN

【歌詞】何の事情も知らない人からの優しい言葉: BUMP OF CHICKEN『ベル』

 BUMP OF CHICKENの「ベル」の歌詞は、傑作である。
 何の事情も知らない人からの優しい言葉が、孤独感を一時的に和らげる力を見事に描いているからである。

「重い体を 最終列車に乗せて」
「疲れた心を 毛布で隠して」

 具体的に描かれた日常生活の一部を通じて、孤独や疲れを感じている主人公の感情が示されている。

「話したい事は 山程あるけど
なかなか言葉になっちゃくれないよ」

 そ

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【歌詞】自分は何者か?「人間証明書」: BUMP OF CHICKEN『乗車権』

 BUMP OF CHICKENの「乗車権」の歌詞は、傑作である。

 この楽曲は全体として、夢や願望を追い求める人々の葛藤と、不確かな未来に対する不安を描いている。その中でも「人間証明書」という造語が独特で優れている。

 「人間証明書」は、単なるIDカードやパスポートのような物理的な証明書を超えて、自己の存在や価値を証明するものとして象徴的に使われている。

 「人間証明書が無い」と気づく場面

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【歌詞】蛍の光が描く夢: BUMP OF CHICKEN『firefly』

 BUMP OF  CHICKENの「firefly」の歌詞は、
秀逸である。

 それは、蛍の比喩が見事に、夢を追求する過程での複雑な感情を繊細に描き出しているからである。

 蛍は夢や希望、そしてそれらを追いかけることの象徴として機能しており、その光は一瞬の輝きや儚さを表現している。

 冒頭で、蛍のような欲望が「ハートから抜け出して」飛び始めるという描写は、夢が心から生まれ、それが現実となる

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【歌詞】迷える旅路: BUMP OF CHICKEN『ロストマン』

 BUMP OF CHICKENの歌詞「ロストマン」は、傑作である。

 それは、夢の追求における迷いと、それに伴う孤独と希望を見事に描いているからだ。

 「迷子だって気付いたって 気づかないふりをした」

 人はしばしば自分の迷いや不安を直視することを避ける傾向があることを表現している。
 これは、人が人生の旅路で感じる不安や不確実性を象徴しており、迷いながらも進み続けることの重要性を示してい

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【歌詞】見えない世界を映し出す光: BUMP OF CHICKEN『プラネタリウム』

  BUMP OF CHICKENの「プラネタリウム」の歌詞は、秀逸である。

 それは、プラネタリウムという比喩を通じて、夢という無意識の世界を巧みに描いているからである。

 心の中にある「実在しない星」や「僕しか知らない星」という表現が、独自の夢や希望、あるいは孤独な願望を象徴している。

「消えそうなくらい 輝いてて」
「一番眩しい あの星の名前は 僕しか知らない」

 主人公が抱える強い

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【歌詞】鐘 : acidman『バックグラウンド』/ BUMP OF CHICKEN『メロディーフラッグ』に見る迷いと無意識

 人生という旅路は、しばしば私たちを迷わせる。どの道を選ぶべきか、どの声を聞くべきかを決定することは困難であり、選択の結果が未来にどのような影響を及ぼすかは予測不可能だ。   

 Acidmanの「バックグラウンド」と、BUMP OF CHICKENの「メロディーフラッグ」の二つの曲は、傑作である。

 この両曲は詩的な表現を通じて、この人生の迷いと、その中に存在する「無意識」のメッセージを見事

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【妄想】映画化 『リリィ』BUMP OF CHICKEN

 BUMP OF CHICKENの楽曲「リリィ」を聴くと、孤独な芸術家志望の青年が心に浮かぶ。スポットライトの下で自己を叫び唄う彼は、自身の弱さと無力感に苦しみながらも、自分と他者との間に壁を築いてしまう。

 この青年の姿は、映画「何者」の主人公、二宮拓人と重なる。彼もまた、自我と自意識、そして社会の厳しい目に追い詰められ、精神的に破綻しそうになる。そんな彼を救うのは、ずっと片思いだった瑞月の一

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