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生産の現場
こんにちは。
今回は商品紹介やイベントの案内ではなく、僕たちが着ている服のもととなる生地が生産される現場をご紹介しようと思います。
きっかけとなったのは、最近当店で取り扱いの始まったtextilemanというブランド。静岡県浜松市で60年以上続く老舗生地メーカーに所属するテキスタイルデザイナーが手掛けており、地元である遠州・浜松の工場でゆっくりと時間をかけて少量生産される生地を主に使用しています。
僕たちは元々岡山のアパレルメーカーの直営店に勤めていたので、倉敷市の児島にあるデニム関連の工場見学をさせてもらったりと、生産の現場が比較的身近にありました。
せっかくなら他の現場も見てみたいと思っていたので、textilemanデザイナーの古山さんにお願いをして、今回は浜松にある工場で生地の染色から仕上げ加工までの工程を見学させていただきました。
なかなか見られる機会もないかと思いますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。
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染色工場の一角には染められる前の白い生地がたくさん並んでいます。僕たちが見学している最中も運送屋さんが新たな生地をせっせと運び込んでいました。これらが全て色とりどりに染められ、また次の場所へと運び出されていきます。
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さきほどの白い生地をいきなり染めるわけではなく、まずは試験室と呼ばれる場所でどんな色に染めるのかを探っていきます。職人が勘と経験を頼りに色を決めていく工場もあるそうですが、こちらの工場では機械を導入して0.1ml単位(もしくはそれ以上)で染料を計りとり、配合することで繊細な色出しを行なっていました。
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先ほど配合した染料を使い、このような試験機で生地の端切れを染めてサンプルを製作します。思い通りの色が出るまで染料の種類を変えたり、染色方法を変えたりと試行錯誤を繰り返していきます。当然失敗もあるそうですが、トライアンドエラーをする中で得た発見が新しいものづくりに繋がっていくという話を聞き、何事も挑戦だなと改めて思わされたのでした。
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試験室でGOが出たらいよいよ大きな機械で生地を染めていきます。機械を使うとはいえそれを操るのは人。生地を染めるために欠かせない大量の水と大型の機械が発する熱で、見学しているだけで汗がダラダラと滴ってくるほどの過酷な蒸し暑さでした。店頭に並んでいる服はこういった現場の職人さんたちの努力なくしてはつくることができないんだということを、ほんの一瞬ではありますが肌で感じることができました。
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生地を染める機械にも種類があり、希望の仕上がりに合わせたものを選んで使うそう。
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染められた後は超高温の乾燥機で乾燥、ローラーでシワを伸ばしていきます。ここまでが染め工場で見学させていただいたおおまかな工程でした。
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次は別の場所にある仕上げ加工を行う工場に。洗い加工・タンブラー乾燥・整理加工の工程を見学させてもらいました。
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まずは洗い加工。機械と人の手の両方を使ってしっかりと洗い、揉み込むことで、余計な染料を落とし、生地の硬さをとっていきます。水を吸った生地は重く、大変な重労働です。
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ぐるぐると回転する機械でしっかりと脱水していきます。
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脱水後はタンブラー乾燥をかけ、ふんわりと優しい風合いに仕上げていきます。当店に並ぶ服もこの工程を経た生地を使っていることが多く、とても着心地が良いです。
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余計なシワをとって扱いやすくするための仕上げの整理加工。ローラーが回る大型の機械に生地を流していきます。
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ローラーの流れていく先にある乾燥機で生地の縮みを出し切ります。内部の温度は100℃以上で、外から覗くだけでものすごい熱気。しかし工場の所々に設置された扇風機はまだ動いておらず、これからの時期のさらなる暑さを物語っていました。
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こちらの工場は着物の加工をするところからスタートしたそうですが、今では需要が少なくなり、職人の数も減ってしまったため、そちらの事業はやめてしまったそう。先ほど乾燥機から出てきた素晴らしい仕上がりの生地が同じ道を辿らないよう、微力でも応援していけるようなことを考えていきたいと思いました。
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仕上がった生地はこのように巻かれて、生地メーカーから生地問屋へと卸されていきます。生地屋さんに行かれる方は見慣れた光景かもしれませんね。
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今回見学させてもらった工程を経てできた生地をつかったシャツがさっそく入荷しています。
どちらも素晴らしい素材を活かした着心地の良いシャツですので、ぜひ店頭・オンラインでチェックしてみてください。→textileman
ruru blue 舘山