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天秤座の満月

4月17日 03:55 天秤座の満月となります。

天秤座


天秤座は牡羊座の対面にある、7番目の星座(サイン)です。
占星術では、二つの間を取り持ち、調和を重んじ、新しい社会への踏み出しを促すサインです。

ギリシャ神話

季節の正しい移り変わりを司る3柱のホーラと人間社会の秩序を司る3柱のホーラ
(エドワード・ポインター/画、1896)

天秤座のモティーフとなっている天秤は、女神アストレイアが持つ天秤です。アストレイアは、ローマ神話の正義の女神「ユスティティア」(英語名:Lady justice)と同一視されます。
ギリシャ神話での正義の女神はディケーという女神で、この神様はホーラの一人とされています。
ホーラとは、時間の女神で季節と秩序を司り、3姉妹の女神(エウノミアー、ディケー、エイレーネー)の総称とされています。

天秤座の月

天秤座は、バランスが保たれ調和的な場所なので、月にとって、とても快適な場所となります。

また、天秤座は調和がとれている事を良しとしますので、バランス・調和が大切です。それはともすれば、「調和のためなら、死んでも良い」となるくらいに・・・
このように、天秤座の意匠が悪くかつ強く出た場合には「予定調和」「同調圧力」がかかります。

天秤座の調和は、たとえ表面的なものであったとしても
天秤座の中ではそれが「善」となります。
だって、そうしないと「他者との関係」を築くことができないかもしれないから。
初めて出会った他者と関係を築こうとするとき、何を重視するかということを考えてみると、多少の粗には目をつぶり、お互い気持ちよくいられるように配慮することが多いと思います。それには、もちろん相手もそのような配慮をしてくれている、という予測が働きます。
相手の粗に目をつぶりつつ自分も少し抑える、そうした配慮は人間関係において必要です。

しかし、その状態がずっと続くとどうなるでしょうか?
息苦しさを感じて迷いが生じます。

なので、天秤座の中で月がとても居心地が良いと感じられるのは
初めの3分の1くらいまで。
その後の3分の2は、「自分を表現すること」に恐れや不安を感じ、表面的な物事の下に広がる、本当の調和を探し、迷いを感じます。

「自分の本当の感情や気持ちに蓋をしない」
ということを、天秤座の中で学びます。

自分の本当の気持ちも感じながら、周りの人々と恵みを分かち合いながら歩いていくことが、天秤座満月のテーマと言えるでしょう。

満月図

満月図をみてみます。

満月は、7ハウスの終わりにあって、サインの場所と一致した場所にあります。1ハウス牡羊座の太陽と7ハウス天秤座の月
そこに、山羊座の冥王星が正確にかかり、Tスクエアというアスペクト(赤い二等辺三角形)を作っています。

もともと満月は物事の完成を示すもので、2週間前の牡羊座の新月で蒔いた種が大きく花開くタイミングと言えます。
やる気に満ち溢れた牡羊座の太陽が、調和と自分らしさの両立を図る天秤座の月を照らし、自分らしさや、意思をもって始めたことが完成していきます。
ここにかかる山羊座の冥王星は、その、やる気や自分らしさが「本当の気持ち」であったかどうかを、かなり厳しく見極めて来る、そんな風に見えます。

Tスクエアというのは、私は「哲学の弁証法(アウフヘーベン)」にとても似ているなと思っています。
あるテーマがあって=テーゼ
それに対して反論したり、反対するテーマがある=アンチテーゼ
その二つのテーマを元により良い新しいテーマ=ジンテーゼ
を探していく考え方を「弁証法(アウフヘーベン)」と言います。

この、アウフヘーベンをもたらすのが、山羊座の冥王星です。

牡羊座、天秤座、山羊座はいずれも活動宮という「始まり」のサインです。始めようとする意志そのものを純粋に表しています。
そんな、私が決めた始め事が、本当に、自分の意志によるものだったのか、心からのチャレンジだったのか、ということを冥王星は深く追求してくるでしょう。このように書くと、とても怖い感じがしますが、
始めたくて始めたのか、
本当は、始めたくなかったんじゃないの?という風に確認が入る、イメージです。
本当は始めたくなかったということは、それは「偽りの決意」となります。
冥王星は、偽りの上に成り立つものを破壊する、というテーマがありますので、偽りの決意によって始めたかもしれないことは、17日の満月を境に、壊れていくことになります。
壊れてしまったものを見るとき、実は、「やっぱりやりたくなかったんだよね」というある意味、安心する、という気持ちが起こってくるんじゃないかと思います。

天秤座の満月は、本当にやりたかったことが完成する、というテーマといえそうです。



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