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蠍座の金星(私は美しい)

10月23日
金星は蠍座に入ります。

ウィリアム・ブレイク・リッチモンド「ヴィーナスとアンキセス」(1889/1890)

金星

ギリシャ神話(アフロディーテ)


金星は、ギリシャ神話のアフロディーテ(ローマ神話でのヴィーナス)です。
愛と美の女神であり、金星もアフロディーテが持つ魅力を司っています。

アフロディーテは価値あること、楽しむこと、喜びとして経験されるあらゆることを享受・受容する力のすべてを包含します。
金星は、自然との共感によって似たものどうしが惹き合うこと、惹き合うものを一つにする結合の力を表し、
価値があるもの、喜びといかに付き合っていくか、素直に価値があると認識することの素晴らしさ、そういった事柄全般を示します。

蠍座

蠍座は、牡羊座から数えて8番目のサインで牡牛座の対面にあたります。
深い体験、変容、死と再生、といったことのほかに
人間関係を通した経験をより感情的に深い繋がりとするサインです。

蠍座の金星

金星もまた、美や調和としての繋がりを結ぶ天体ですが、
蠍座の中では普段の金星とはちょっと違った形での力を発揮します。
むしろ、金星の真の力が発揮されるのかもしれません。

金星は牡牛座の支配星でもあり、蠍座はその牡牛座の対面にあるサインです。
このため、金星は、本来の居場所である牡牛座から一番遠い場所にあるために
牡牛座の加護を受けられにくいということになります。

そのため、金星は宝飾品や美しい外観をすべて手放し
「自分の足で立つ」ことが求められます。
その立つ場所は「深いコミット」の蠍座です。

感情的で深い繋がりを表す蠍座の中で、金星は内向きの関係性を深めていきます。
「内面を見つめて美しさを見出す」ことに必要なことというと

  • 自分を受け入れる

  • 自分を肯定する

  • 自己ヒーリング

などが思い浮かびます。

蠍座の金星の力を受けて、自分を癒した私はとても満たされています。自分が満たされていれば、他者の肯定的な理解が可能となります。
肯定的な理解というのは、
仮に自分と意見が異なる相手であっても、否定したり迎合したりせずに
「違う」ということをそのまま受け入れることで
相手がなぜそのような理解(あるいは私がなぜそう考えるのか)をするのかということを、落ち着いて理解することだと私は考えています。

占星術のみならず、ギリシャ神話に登場する神々は「私」を中心に考えることを促しています。
相手がなにをするのか、ではなく、
私がどの感情を選択するのか、ということに重きを置いているような印象があります。

私が満たされていることで、相手には「安心感」というヒーリングをもたらす関係を築くのが得意かもです。
異なる考えを論破することに適した配置というのもありますが、
蠍座に入った金星は、周りに振り回されることなく、自分を一心に見つめていきます。
白雪姫に登場する魔女のように、鏡に向かって
「世界で一番美しいのは誰?」と尋ねるみたいに。
ただ、このお話で注意が必要なのは、問いかけ方になります。
白雪姫では、最初は鏡は「美しいのはあなたです」と答えてくれますが、
やがて「それは白雪姫です」と答えます。これは、物語ではありますが、蠍座の中の金星(すなわち美の女神)への問いかけにも通じます。
他者からの評価を確認するような問いかけは、やがて自分(魔女)を追い詰め、白雪姫へのいわれなき嫉妬で固められていき、毒リンゴを食べさせるという愚行を行います。
これは、そのまま、私たちの日々の問いかけにも通じるような気がします。

蠍座の金星は、
自分の評価を他者に委ねる形で自分の幸せを確認するのではなく、
他の誰とも比較しない純粋な自分を見つめるように促しています。

「自分の美しさはほかの誰でもない自分だけが知っているし感じている。」


蠍座の意匠がここまで現れるのは、反対側にある牡牛座の神話も絡んでいます。
すでにお伝えしたとおり、
牡牛座の支配星は金星です。一つ前の天秤座の支配星も金星です。
金星の意匠のうち、肉体的な美しさを特に強めるのが牡牛座の中にあるときです。肉体的な美から一番離れた蠍座の中での美というのは、そのまま、精神性の美へとも通じます。

なので、自分を大切にすることが、
そのまま他者の癒しに繋がるともいえるでしょう。

このあと、蠍座には太陽も入ってきますので、太陽と金星のコンジャンクションもまた、私たちの気持ちに大きな追い風となることが期待されます。








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