かたくるしくない教訓書(『十訓抄』の話)
『十訓抄』という古典をご存じでしょうか。
「じっきんしょう」もしくは「じっくんしょう」などと読む、鎌倉時代に書かれた古典です。
内容については、私が高校時代に使用していた国語便覧には「少年たちに善を進め悪を戒めるため、十箇条の主題に従って内外の多くの文献から、約280の教訓的例話を採録している」(『新修国語総覧 新版』京都書房)などと書かれていて、お世辞にもとっつきやすくはなさそうに思えます。
実際わたしも「堅苦しい内容の教訓や、坊さんの出家・成仏話ばかりの本なのかな」と