帰ってきたよ、トマト麺
太陽のトマト麺 錦糸町本店(錦糸町)
先日はこの店へ行こうと思っていながら、途中で浮気して「讃岐うどん五郎」へ立ち寄ってしまった。
今日こそはの思いを胸に秘め、「太陽のトマト麺」の扉を開けた。
ここへ通い始めて、もう十年近くになる。
年のせいもあり(^^;)、こってり系ラーメンは最後まで食べるのがきつくなった私にぴったりなのが、ここのトマト麺だ。
もともと鶏白湯の塩ラーメンから始まったそうだが、今やこちらのトマト麺が主役。
他店でもトマト麺を食べたことがあるが、この店の特色はトマトの濃厚さにある。
トマトピューレもふんだんに入っていて単に「トマト味のスープ」とは一線を画している。
ベースとなるトマト麺の他にもいくつか種類があり、ランチセットや期間限定メニューもある。
でも、選んだのはマイ定番「太陽の茄子ラーメン」
カウンターで待つ間に、今日も「探偵さえいなければ/東川篤哉」を取り出した。
第四話「とある密室の始まりと終わり」では、本書で初登場となる探偵助手の戸村流平くんが活躍する。
まぁいつものように本人たちが冴えた推理を披露するわけではなく、謎を解こうとあーでもない、こーでもないとやっているうちに棚ボタ的に解決してしまう。
今回のポイントは「密室」だ。
ミステリーではおなじみの設定だけれど、密室だと判断するのは発見者側であって、実行者(犯人)側から見れば密室ではない。
そこには何かしらのトリックが存在するのはセオリーだけれど、この話ではトリックなどと呼べるものはなく、犯人が意図していなかったのに密室へと仕立てられてしまった、というオチ。
最後に鵜飼探偵が言ったように、よく犯人が正気を保っていられたものだと思った。食事の話をする前なので、詳しくは本書で。
太陽の茄子ラーメン。
ざく切り茄子をさっと炒めて麺の上に乗せた、ピリ辛味です。
そして、こちらがこの店のもう一つの主役。らぁリゾです。
どうやって食べるのかは後ほど。
一週間越しのトマト麺を前にテンションも上がる。
麺は豆乳入りの自家製極細麺で、博多ラーメンの麺に近い感じ。
つるっとした食感で喉越しもいい。
ベースの鶏白湯スープにトマトの旨みも加わって、とにかく美味い。
スープを飲みながら食べたいところだけれど、後の「らぁリゾ」のために少し飲むだけにして我慢。
ラーメンに定番のメンマはなく、代わりに江戸菜(小松菜の一種らしい)が入っている。
このシャキシャキした食感もアクセントになって箸が進む。
そして、〆となるのが「らぁリゾ」だ。
ラーメンのスープでリゾット風に食べるので、らぁリゾ。
もともと雑炊が好きなこともあって、ワタシ的にはこれが欠かせない。
ご飯の上にチーズやフライドガーリック、黒コショウなどが掛けられていて、そこへ残ったトマトスープを入れる。
鶏肉や江戸菜なども残しておいて、らぁリゾの完成。
幸せです。
さらに黒コショウを掛けて、スパイシーにしても美味。
これはラーメンじゃない! という声もあるようだけれど、私にとっては今一番お気に入りのラーメン。
スープは飲み干さない派だけれど、ここでは必ず飲み干してしまいます。
――美味しいものと文庫本⑮――
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こんな私もミステリーを書いています。
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