焼きあごの芳ばしい香り、堪能して!
焼きあご塩らー麺 たかはし 大船店(大船)
仕事の関係で大船へ通うようになった頃は改装工事を行っていたお店が、小ぎれいで洒落たラーメン屋になった。
昨年秋のオープン間もないころは行列が出来ていたけれど、少し落ち着いてきたので行ってみたのが「焼きあご塩らー麺 たかはし」だ。
店の間口は狭いけれど、店内は明るく奥行もある。
外の券売機で買ってから入店するシステム。
ラーメン通というほどではないので、恥ずかしながらこの店を知らなかったけれど、あご出汁ラーメンとしてけっこう有名なお店らしい。
立て看板のメニューには背脂醤油らー麺や塩つけ麺もあったが、やはり店名にもなっている焼きあご塩らー麺(味玉入り)を選んだ。
店内へ一歩入るとすぐ、魚介系の芳ばしい香りに包まれる。
生臭さなど微塵も感じない。
とびうお(あご)を焼き干ししているからの芳ばしさか。
この香りだけで食欲も増す。
義父が長崎・五島の出身で、名物の五島うどんに使われるのがあご出汁。
そのため「あご出汁」に勝手な親近感を持っています。
ずっと紹介していた「探偵さえいなければ/東川篤哉」も今回が最終話。
第五話「被害者によく似た男」は、本作で三つ目となる倒叙式(犯人が分かっている状況で物語が進む)のお話だ。
幼いころに両親の離婚によって別々の人生を歩んでいた兄弟の弟が主人公。
復讐のために兄へ近づき、愛人となった女が弟にも近づく。
その理由は、二人が双子と見まがうかのような風貌だったから。女は弟を利用してアリバイトリックを企てるが……。
今回も鵜飼探偵ではなく、準レギュラーの烏賊川署・砂川警部と志木刑事が謎を解く。
例のごとく、犯人たちの自爆だけれど。
犯人たちにしてみれば良かれと思ってやったことが裏目に出てしまったのだが、悲哀を感じる男性読者も少なくないかもしれない。
そしてお待ちかね、らー麺が登場。
器も趣があり、具材の配置にもこだわりが感じられる。
こうして写真を撮っている間も、いい香りが立ち上っていました。
スープも輝いていてきれい!
まずはスープをすする。
思っていたよりもコクがある。そこへ焼きあごの芳ばしい香りが鼻を抜けていく。
これは美味しい!
トッピングはチャーシューと薄切りロース、水菜にメンマ。中央には白髪ねぎが盛られ、奥に追加トッピングの味玉。
美しいではありませんか。
麺は縮れが強く、スープによく絡む。
芳ばしい香りとともに箸が止まらない。
個人的に気に入ったのがメンマだ。
かなり太目で歯応えも良く、旨い。
箸あげ写真に初挑戦!
ここまで高く上げる必要はなかったかも。(^^;)
薄切りロースは半レアなので、時間が経つとスープの熱で色が変わっていきます。
そして、この店のもう一つの推しが〆のあご出汁茶漬け。
カウンターには茶漬けの作り方もメニューの横に置いてある。
ご飯の上に残しておいた味玉を置き、スープをかけていく。
仕上げはお茶漬け用のあられと海苔。
薬味のワサビは使わず、味変用の柚子胡椒を添えた。
柚子胡椒は少量でも効果抜群。思っていた通り、スープに合います。
あられのカリッとした食感もよき。
いやぁ、さすが有名店というだけあって、らー麺もお茶漬けもとても美味しかった。
あの香りをお届けできないのが残念だ。
――美味しいものと文庫本⑯――
★
このシリーズ、今回で一区切り。しばらくお休みとなります。
コロナで外食も自粛しているので溜まっていたネタもなくなりました。(^^;)
また、文庫本を片手に美味しいものを飲み食いできる日を楽しみに待つこととします。