ばばあもどきの日常と非日常 その26「ばばあもどき、ホストクラブに行く 前編」

こんにちは。
“ばばあもどき”のルル山ルル子(ルル)です。
女の容れ物(身体)に男の魂が宿っています。
「トランスジェンダー」とか「FTM」とかの呼称がどうもしっくり来ず、 普段は「見た目は女 中身はおっさん」と自己紹介をしています。

ホストクラブに行く羽目に

さて、私ルル山ルル子、ひょんなことからホストクラブへ行く羽目になりました。
「羽目になりました」という言い草から分かるように、別に最初から行きたかった訳ではありません。
どちらかと言えばホストクラブよりメイド喫茶に行きたい私です(キャバクラではなく)。
新宿のホストクラブより断然 秋葉原のメイド喫茶が好きな私です。
「お帰りなさいませ、お嬢様♡」って迎えられる時、本当は「ご主人様♡」って呼ばれたいなぁと思うけど、
それはさておき可愛いメイドさんに「萌え萌え きゅーん♡」ってしてもらえるメイド喫茶が大好きな私が
何がどうしたことか新宿のホストクラブに行く羽目になったのです。

ホストクラブは男が行っても良いらしい

きっかけは、ホストをしている友人から、1月に誕生日があるからお店に来てほしい、という連絡があったからです。
「いやいや、女を誘えよ」と思ったけれど、
その友人はジェンダー問題やLGBT問題にとても詳しく、私の中身がおっさんなのも知った上で誘っているのです。
彼曰く、「僕のお客様は“姫”だけじゃなく“殿”も多い」とのことなので、まあしゃあない、行ってくるか、と思って行くことにした次第です。

とはいえ1人で行くのは流石にハードルが高すぎるので別の友人たち(30代と40代の男性)を誘ったのですが、なんだかんだで都合が付かず、
結局は1人で行く羽目になったのです。
友人のお祝いはしたい。
でもホストクラブで、おっちゃん(私)ポツンとどないしてたらええねん。
ああ、せや! 「女の子にモテる方法」を学びに行ったらええねん!
そう思ったら急にモチベーションが上がってきました。
そういえば、その友人とのやり取りで
「どんな服を着ていけばいいか分からないから教えて」と送ったら
「普段のルルさんの格好で全然入りやすいですよ! 〇〇のやつとかかわいくて素敵!」と返って来たんです。
これだよ、これ!
一文めは誰でも書けるけど、二文めは普段私がよく〇〇の服を着ていることを観察して記憶してないと書けない訳で、
もう早速「女の子にモテる方法 その1」をGETです。

エア「弟子入り」

私は、“お客さん”のフリをしてそこにいながら、心の中でこっそりホストの方々に「弟子入り」しようと思いました。
限られた時間の中で、「女の子にモテる方法」を出来るだけ沢山GETするぞー!
変にスイッチの入った私はまず、中途半端な長さだった髪を周りに驚かれるくらいバッサリと短く切り、チャコールグレーのハイネックのニットとそれに羽織れるサイズの濃紺のシャツを買いました。
髪をカッチリと固め、中身だけではなくて外見もちょっと「おじさん」に近付けて準備完了です。

いざ出陣!

歌舞伎町に夜に来るのは初めてで、何となく緊張しました。
何が、って訳じゃないけど、なんだかちょっと怖いような。
そしていよいよお店に着いたのですが、何と、ちょうどその友人が女の子と一緒にお店に入って行くところでした。
今 私が行ったらタイミング的に邪魔でしかないと思い、入口付近で少し時間を潰すことに。
入口のゲートの造りがとても綺麗でした。
私は、こういう建造物というか建築物というか、そういうのを見ると、
勝手に「このタイル、ひとつひとつ手作業で貼ったのかなぁ」とか色々想像して感動してしまうのです。
それから、「この照明は、もしかして人の肌(ホストさんもお客さんも)が綺麗に見える色温度なんだろうか」とかも色々考えてしまいます。
いかんいかん、今日は友人のバースデーを祝いに、且つ「女の子にモテる方法」をGETしに行くんでした。
建造物に見惚れている場合ではありません。
意を決して私はゲートをくぐりました。

後編に続く

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