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故郷・市原市にボンズ市原あり!

きっかけは突然に

 我が故郷・市原市に根ざすボンズ市原⚽
 2011年に産声をあげたクラブだが、私としては、当初、あまり興味がなかった。

 その頃は、応援の対象が当時の在住地だった水戸市のクラブの水戸ホーリーホック、地元千葉県のクラブのジェフユナイテッド市原・千葉であり、アマチュアには興味が向いていなかったのである。
 帰省した時に親から市原市のタウン誌に掲載されたボンズ市原の記事を見せてもらっても、触手は伸びなかった。

 突然の転機は、一冊の本。
 宇都宮徹壱氏が執筆した「股旅フットボール」。
 Jリーグクラブではなく、全国を、そしてその先のJリーグ入りを目指す当時の各地のアマチュアクラブを題材にした、今や私のバイブルとなっている傑作である。
 この本に出逢うまで、私は、国内サッカーと言えばJリーグという認識であったが、この本により、アマチュアクラブも充分魅力的であると認識を改めた。
 そして、我が身を振り返ってみると、故郷にはボンズ市原が在るではないか!と、にわかにボンズ市原に注目するようになった。

朗らかで身近なクラブ

 ボンズ市原に強い関心を寄せるようになった私だが、転勤族で故郷を離れて住んでいる身としては、試合観戦の日程が合わず、結局、初観戦は地元千葉に転勤を果たした2017年だった。

 ボンズ市原のホームスタジアムはゼットエーオリプリスタジアム。通称・臨海競技場。かつてジェフ市原(当時)の試合を観てサッカー旅を始めた思い出のあるスタジアムである。

 初観戦は、純粋にサッカーを楽しめた一戦だった。Jリーグほど多くはないけど、一生懸命応援するコアサポーター。野次もなく温かく拍手や歓声を上げる観客。最後まで走りきる選手達。その全てが心地良かった。
 牧歌的と言われたらそれまでだが、ある意味「雑音」がなく純粋に朗らかにサッカーを楽しめる環境が身近に存在していたのだ。「灯台下暗し」という言葉が妙にしっくり当てはまる。
 また、故郷を長らく離れている私にとって、ボンズ市原、ひいては市原市が、いかに大切な存在なのかを強く実感した機会でもあった。

 そして、試合終了後には、選手達が出入口で観客をお見送り!ハイタッチ、握手、少々の歓談。
 選手がこんなにも身近なクラブを初めて目の当たりにした私は、宇都宮氏が説いていたアマチュアクラブの魅力を体感し、瞬く間にボンズ市原の虜になった。

 選手達との触れ合いは試合終了後に限られない。
 クラブが地域決勝(全国大会。名称は当時)に出場したときには、選手、スタッフ達と触れ合える和気あいあいとした壮行会が開催された。
 良い意味で、どこか「手作り感」が感じられる、とにかくクラブとサポーターの距離が短いボンズ市原の魅力は、一度ハマったら抜けられない沼のようなものである(笑)。

今後もボンズ市原と共に

 2017年以降、私は、母や妻と一緒にゼットエーオリプリスタジアムを度々訪れ、ボンズ市原の試合を観戦している。
 やはり故郷に根ざしたクラブの存在は誇りであるし、応援にも力が入る。勝ち負けも当然大切だが、それ以上に、サポーターや市民に寄り添う「おらが街のクラブ」を応援できる有り難さは何物にも代え難い。

 最近は、世の情勢もあり、生観戦ができない状況が続いているが、私のボンズ市原への愛情に変わりは無い。
 私は、複数のクラブを応援するカメレオンのようなサッカーファンであるが(笑)、あくまで本籍地はボンズ市原。
 故郷・市原市にボンズ市原の旗がたなびく限り、ボンズ市原の躍進を見守りたい。