脱ステ記録8
さて、ようやく「脱ステ」のキーワードと出会う話です。
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気がつけば、強いステロイド剤を躊躇せず塗る生活を送っていたわけですが、だんだんと、薬を塗ると皮膚が熱く感じるようになってきました。はじめはアレルギーの症状で皮膚が熱いのだと思っていたのですが、薬を塗った後に、より患部が熱く、痒みが増していることに気がつきました。「痒くてやってられん」ということで、いったん薬を塗るのを止め、ただただアレルギーによる痒み(と当初は思っていた)に耐える日々が始まります。
そんなある日、友人とお茶をしていた小さなカフェのご主人(女性)が、お会計時の私の手を見て、「アレルギーですか?」と声をかけてくださいました。実はその方自身、手湿疹がひどく、手だけで言えば、私と同じような悩みに日々苦しんでいるとのことでした。(=主に、強い痒みとあかぎれ)その方はステロイドを使ってはおらず、また、飲食業なので仕事中は薬もクリームも塗れないので、仕事が終わると同時に軟膏などをたっぷり塗って、手袋をして帰宅する等の工夫をされているとのことでした。また、常連客の中にも彼女の手について相談に乗ってくれる方がいらっしゃるそうで、そのお客様は、「子供も肌が弱かったが一切ステロイドを塗らずに育てあげた」と得意げに話されていたというエピソードを聞かせてくれました。当時の私は、「ステロイドも賢く使えば悪ではない」という考えが強かったので、(今もこれを否定するつもりはありません。)「ステロイドを使わずに」というフレーズが、とても極端な思想に響いたのを覚えています。一方で、この一瞬のやり取りが、私の「肌をなんとか良くしたい」という思いをより一層強くするきっかけになりました。
そして、どこか「極端だ」と思い込んでいた「ステロイドを使わない」というそのやり方を、自分も試してみようかという考えが、この日を境にじわじわと育っていきます。