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「○○に似ている」

 私は誰にも似ていないんだが、何故?

 動物でもどこかのキャラクターでも似ている顔がいない。芸能人なんて以ての外である。

 こんなに誰にも似ていないなんてことがあるか?

 親に聞いてみた。「分かる。ずっと思ってたよ。誰にも似ていないなって。」

 ずっと思っていたのか。ずっと思い続けてしまうくらい似ている顔がいないのか。
 「あの人って〇〇に似ているよな」とぼんやり考えることはある。でも「あの人ってつくづく誰にも似ていないよな」なんて考え続けること、あります?

 いや、流石に親には似ている部分がある。生まれた瞬間は父にそっくりだと言われていたらしいし、親戚や友人の親御さんに「お母さんに似ているね」と言われたこともある。
 でもそういうことじゃないじゃん。私が言いたいことは。分かるでしょ?

 テレビや雑誌のインタビュー、街頭調査企画、今や懐かしいプロフィール帳などでもよくあると言っていい質問
「貴方は誰に似ていると言われますか?」

 何故だ。何故みんなそんなにポンポン出てくる。そんなに日常的に言われることがあるのか。
「平たく潰した〇〇」「二日酔いの〇〇」
 そんなの面白すぎるよ。ズルい。というよりそんなハイセンスな指摘をする周りも凄い。

 他にも似たような質問がある。「貴方を動物に例えると?」
 動物だと…?え、動物?

 考えたことないが…。「自分ってつくづく犬だよな」「私って猫だなあ」なんて思うか?
 というよりも女である私は仮に犬と答えても猫と答えてもベタで可愛い子ぶっていると思われるし、奇を衒って変な動物を答えても面白系天然女子ですよ感が出てしまうし、ウサギなんて答えてしまったらメンヘラになってしまう。八方塞がりである。

 ちなみに〇〇系女子診断、みたいなものをやってみたらウシ系女子だった。ウシて。

 さらに似たような別の質問で「貴方は周りにどんな人だと言われますか」という質問もよくある。
 そんなの知らん。互いの性格についてそこまで話すことあるだろうか。
 よく就活の面接でも取り上げられる質問だがこれは何を聞きたいのだ。

 「よく頑固だと言われます」「短気で怒りっぽいと言われます」
 例えばこのようなネガティブなことは言われていたとしても自分の口で言いたくないだろ。
 「正義感があると言われます」「正直だと言われます」
 このようにポジティブなことしか言いたくないじゃん。
 それはその人の本質なのか?
 極端な話、「私は数百年に一度の天才と言われます。そして神様のように慈悲深く、愛に満ちていると言われます」と言っても「そうなんですね」となるのか。

 いや、極端すぎたが要は悪い部分を素直に言う人なんかいないのだからこの質問は本質を捉えることができないということだ。むしろその人の短所こそが関わる上で大事だと思うのだが。

 ちなみに私は「優しいと言われます」しか言えない。

 気づいてくれ。優しいとしか言われたことがない人はつまり、卒業文集で「優しい人ランキング」に同情で申し訳程度に名前を挙げられるぐらいの目立たない人物だということだ。つまり私は陰キャだ。

 私は誰にも似ていない地味顔の、白黒模様の体をした陰キャ人間だというわけだ。


…あれ?


 

 もしかして先日投稿した、「他人にあまり興味がなく、深く関われないので当たり障りのないことしか言えず結局ただの良い人にしかなれない」というのは私が陰キャだということだったのか?

 他人と深く関われないというのはつまり、私が陰キャだったということなのか…?



 悲しいから寝てしまおうかな。

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