日本の精油 ブレンドのあれこれ
こんにちは、瑠璃唐です。
私はいつもブレンドを作ると、ノートに記しておく
ことにしています。 (たまに忘れます…)
先日これまでのノートを見ていたら、日本の精油を
軸にしたブレンドが並んでいるページがあり「こん
なの作ってたなぁ」と懐かしく見直していました。
そのブレンドは、和精油と呼ばれる香りに合わせる
としたらどんな精油が浮かんでくるだろう?と
想像をめぐらせながら作っていたものでした。
今では日本の精油も種類が多くあり、有難いことに
いろんな香りを入手することが出来ます。
そこで今回の内容は、同じ方法で組み合わせを新た
に作ってみたブレンド集です。内容や割合など、
ひとつの参考として見ていただければ嬉しいです。
以下に記すブレンドは、全て芳香浴を想定したもの
です。文中の精油名の下にある( )内の数字は、
10滴のブレンドを作る時の、それぞれの滴数です。
▪まず、過去に作ったブレンドがこちらです。
姫小松(岐阜県)とイランイラン
(4) (1)
オレンジスィートとパチュリ 4種のブレンド
(4) (1)
マツ科の精油は樹木の中でもひときわ芳しい香りが
特徴的で、合わせるなら花かな?と思った瞬間
浮かんだのがイランイランでした。
自然に触れてというよりは、どちらかというと建物
の中で和の装飾品を見ているようなイメージだなと
感じた香りです。
杉(大分県)とゼラニウム
(4) (1)
ベルガモットとフランキンセンス 4種のブレンド
(3) (2)
これは自分でも意外な取り合わせだったのですが、
出来上がりが思った以上に良かったので驚いたこと
を憶えています。私は、杉に感じる他の樹木にない
独特さを少し苦手にしていたのですが、思い込みは
いけないなと痛感した香りでした。
樅(岐阜県)とクラリセージ
(4) (2)
マンダリンとミルラ 4種のブレンド
(3) (1)
これはもう、絶対好きな香りなので樅に関しては
何も迷いなくクラリセージでした。マンダリンと
ミルラで、より鎮静に向く仕上げにしています。
黒文字(大分県)とフランキンセンス
(3) (2)
ベルガモットとマージョラム 4種のブレンド
(4) (1)
マージョラムを使っているのを見ておや?となった
のですが、たぶんフランキンセンスの透明な甘さと
黒文字のすっきりした甘さのバランスを取るため
だったのでしょう。今見ると、ティートリー(2)で
ベルガモット(3)でも良かったなと思います。
日本の精油は同じ種の植物でも蒸留地により僅かな
香りの違いを感じやすく、それがブレンドをする時
の楽しみのひとつでもあります。
そしてやっぱりどこか懐かしく、身近に思うのです
よね。檜や杉、檜葉など、香りとともに景色が映像
として広がることもあるのでしょう。
風や葉音を感じるような、心地良さがあります。
▪ここからは、新しく作ったブレンドです。
檜葉(青森)とスペアミント
(2) (2)
グリーンレモン 3種のブレンド
(6)
檜葉の香りは独特なのですが、私はとても好きで、
なぜか落ち着いて気持ちの整う香りなのです。
スペアミントのすっきりとした甘さがほどよく、
新緑に留まる雨粒のようなイメージです。
四万十生姜(高知県)とベンゾイン
(3) (1)
オレンジスィート 3種のブレンド
(6)
まず四万十生姜を手に取り、いくつか交互に香って
みて、これ!と思ったのがベンゾインでした。
コクのある甘さが生姜に不思議とよく合っていたの
で、そのままにオレンジスィートと合わせました。
高野槇(和歌山県)とメイチャン
(3) (1)
グレープフルーツ 3種のブレンド
(6)
高野槇は薬草のような少し苦みのある香りです。
それが何か無言のやさしさに触れているような感覚
になりとても好きな精油です。(個人の感想です!)
メイチャン(リツェアクベバ)は和名を青文字と言い
シトラール成分を含む樹木で、柑橘を思わせる香り
がします。レモンに近い香りなので濃くなりすぎな
いようグレープフルーツでバランスを取りました。
日本は樹木もそうですが、柑橘の種類も多く、それ
ぞれの特徴が際立っていて独特な香りがあります。
蒸留地が国内だと、物理的に抽出してから手元に
届くまでの道のりが短いことも、香りへの影響を
考えると有難いですね。
▪国内産、圧搾法の柑橘精油から3つをブレンド。
伊予柑(徳島県)とローズマリーベルべノン
(7) (1)
パチュリ 3種のブレンド
(2)
伊予柑は酸みと甘みのバランスがどちらもほど良く
特に好きな香りです。
すっきりさせたいのですが、少しの甘みを足したく
なると、好みはベルべノンを使いたくなります!
もちろんシネオールで合わせてもよりすっきりした
感じがして、こちらも良いです。
柚子(徳島県)とブラックスプルース
(7) (2)
パチュリ 3種のブレンド
(1)
この組み合わせも思った以上に驚きの香りでした。
ブラックスプルースの芳しさと柚子の温かみのある
甘さがとても良く合っていたので、特徴を保つため
伊予柑同様、ベースにパチュリを持ってきました。
酢橘(徳島県)とカルダモン
(6) (2)
パチュリ 3種のブレンド
(2)
すだちの香りの延長線上にあるようにカルダモンが
香ります。少し似通っているようでいて、でも特徴
を失わず良い取り合わせと感じました。
ブレンドは本来、自由なものであってほしいと私は
思っていて、見つけた組合せが良い香りのものだと
とても嬉しくなりますし、失敗があってもまた繰り
返し作ってみる、そうして出来る感覚を大切にして
います。
何より嬉しいのは、試香のムェットを手渡した人の
表情が、ぱぁっと明るくなる瞬間に会えた時です。
何か深いところに嬉しさが届いたような気がして、
私にとって心から良かったと思える瞬間です。
みなさんも是非、ブレンドを楽しんでくださいね。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。