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オタクが旅する、イーハトーヴの道中記 DAY3
あゝ、マヂエル様、どうか憎むことのできない敵を殺さないでいゝやうに早くこの世界がなりますやうに、そのためならば、わたくしのからだなどは、何べん引き裂かれてもかまひません。
宮沢賢治『烏の北斗七星』
賢治生誕120周年に敢行した聖地巡礼・オタク旅も、いよいよ終盤。
1日目、2日目に続く最終日は盛岡へ。
***3日目***
盛岡のホテル森の風鶯宿で朝食をとり、バスで盛岡駅近くまで移動する(とても素敵な旅館でしたが、いかんせん駅から遠い)。
賢治清水で喉を潤してから、賢治アベニューと呼ばれ親しまれる材木町へ降り立った。
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通りのあちこちに、作品がモチーフとなった像や飾りがある。
賢治先生の像は、帽子に銀河鉄道と思しき列車が走っていてかわいい。
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マヂエル館の苹果(りんご)の木。
散策を終え、お昼時をめざして最後の聖地・小岩井農場へ。
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ジンギスカンが美味しかった。ミルクジェラートも良い。天候にも恵まれ他ので、素晴らしい景観。
旧盛岡高等農林学校にも立ち寄った。
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名残惜しみつつ、夕刻のバスで農場をあとにして盛岡駅へ戻る。
帰りの新幹線を待ちつつ、駅構内でじゃじゃ麺を食べた。小さなお店だったが、結構美味しかった。
***あとがき***
宮沢賢治を追いかけた、2泊3日の岩手旅行。
生誕120周年のアニバーサリーイヤー、それも8月27日の生誕日を含んだ日程で赴くことができたのは、本当に貴重でよい体験だったと思う。
その当時、私は宮沢賢治を題材に卒業論文を書いていた文学部4年生だった。ゼミでお世話になっていた恩師から「生誕何周年とか没後何年とか、節目の年には新しい論文が出ることが多いよ」と教えられ、何としても現地にある記念館や資料館の見学しなければ、そして現地のイベントのチェックも欠かせないな、ついでに学生最後の年だし、と思ってこの旅行を企画した。同行してくれた友人は宮沢賢治には詳しくないものの、ジブリやサン=テグジュペリを好んでいたので親和性がかなり高かったようで、楽しんでくれていた。
結果として、実際に新作論文を1本入手することができたが、振り返ってみると勉学よりも娯楽が中心の楽しい旅行になった。
イギリス海岸などがある北上方面など、行程の都合上入れられなかったエリアもあるが「宮沢賢治ゆかりの地を巡る旅をしてみたい!」という方には相当おすすめのプランができたと思う。
反省としては、私も友人も運転ができずタクシー頼みだったので、小回りがきくようにレンタカーは借りておいたほうがいいと思う(タクシーで40分移動もした)。また、大曲の花火大会と時期がかぶっていたため、駅近くの宿が意外と取れなかった。
宮沢賢治は、国語の教科書にも作品が載っており日本でポピュラーな作家の一人と言える。童話調のやわらかく温かな文体で哲学を語り、澄み渡るような卓越した表現で岩手《イーハトーヴ》の自然景を描いている。あまり文学には親しまない、という人にもまずは小編や詩篇からぜひ読んでほしい。
何もかもがありふれたこの時代に、"「ほんとうのさいわい」を見つけるために生きる" その手がかりになる言葉がそこにあるかもしれない。
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![蓬子 / yomo](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/169168523/profile_78a95c478b49622de8be9ff7616fc98a.jpg?width=600&crop=1:1,smart)