世界線を平行移動した話
朝起きると、何かが違った。理由はないけど、違うことがわかった。
2年間酷使して電池パックが死にそうなiPhone6sを手に取った。いつものものだ。
指紋認証で開いた。いつも通り。
アプリを見た。手癖で開く、はずだった。いつも通りではなかった。
SNSが全部なくなっていた。
どうやら、1枚の布の縦糸のように並行世界が並ぶ中、同時に多数存在するどこかの私が、何かをしでかして、そこから1人ずつずれ込んで、似ているけどちょっとだけ違う隣の世界線にやってきたらしい。私がそうと言ったらそうなのだ。
SNSにどっぷり使っていた私は、つまり、SNSのない世界線にやってきてしまったようだ。
そうですか。考えても仕方ないことは、考えないことにしている。まぁつまりこれからどう過ごすのかということを考えるのだ。
考えたけれどまぁ結局、働いてnoteを書いて走って、いつも通りのようでちょっとだけ違う日常を粛々と過ごすのである。