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ユーキテルとヨシュアナ

魂の記憶にある。
私の大好きな、血のつながらない家族のお話。









「決めた あたし、ユーキテルのお嫁さんになる!!どうやったらお嫁さんにしてくれる?」

「そーだな。お前がいい女になったらだな」


「ほんと?約束だよ?」

————————————

ユーキテルは
あんなに大きかった体も小さくなって。
眠ってる日が多くなりました。

たまに起きて、2人でよく昔の思い出を話しています。


ユーキテルの気配が随分しなくなって。
もうユーキテルと、私しか居なくなった屋敷で。
ここ何日も起きてなくて、私は隣で本を読みながら一緒の部屋で過ごしています。



「お前、いい女になったなー。
俺が元気で若くかったらな、嫁にしたのにな。
惜しいことしたな。」

「やだよ。ユーキテルは、、、、ガサツで、、人の話聞かなくて、、。
女ったらしで、、、。

もじゃもじゃ、、な、、んだ、、もん。」


「お前の顔が見えないだろう。最後は笑ってくれ。俺はお前の笑った顔が大好きなんだ」


涙でぐちゃぐちゃで歪な笑顔を見せると、すっと目を閉じて、ユーキテルは寝てしまいました。
そしてもう、起きては来ませんでした。





さようならユーキテル。
私の大好きな人。

さよならユーキテル。
私のヒーロー。

さよならユーキテル。
私の大切な、大きな大きな、お友達。

宇宙一の心と体と、そして勇気。
とても楽しかったよ。
今でも昨日のように思い出すよ。

私も少しはあなたのように、広い心になれたかな?




さようなら。
あなたとの思い出は、ずっとずっと私の中で生きています。

またあいましょう。



もしかしたら、本当にあったかもしれない。
そんな銀河の記憶の1ページでした。

オリオン戦争で、戦争孤児になったヨシュアナ。
たまたま来たシリウス軍に拾われて、シリウスに住むことになります。
戦争は嫌で、もう起きてほしくはありません。

辛い思いもしたし、夜フラッシュバックにひどく悩まされていた様です。
ですが、そんな事があったから、出会えた家族や人々。

戦争や災害は、自分の力ではどうする事もできません。
ただ生きていれば。
その中での記憶が良いものになる事も多いでしょう。
幸せな記憶ばかりになったのは、きっとその時の家族と時間のおかげ。

それも生きてきたからこそ。
あなたの記憶に残るものが、素敵なものであります様に。


最後まで読んでくださってありがとうございました。





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