道に咲く花
検査の結果、膠原病の心配はなく、皮膚の治療だけを続けることになりました。
やがて、包帯もとれるようになりました。
一緒に入院していた人たちから、「包帯とれて良かったですね。」「よくなりましたね。」と声をかけられるようになりました。
他の方たちも、それぞれ辛い思いで入院生活を送っているのに、私を心配してくださっていたそうです。
入院当初、私の状態が酷かったので、どんな言葉をかけたらいいのか、わからなかったそうです。
私も痛みと高熱で苦しくて、話す余裕などありませんでした。
みんなが優しい言葉をかけてくれて、人の心の温かさが、私の心に沁みわたりました。
今まで空っぽになっていた私の頭と心に、血が通ったような感じがしました。
それから天気の良い日に、はじめて病院の外へ散歩に行きました。
今までとは違う世界を歩いているみたいでした。
道に花が咲いていました。
おそらく、あまり気にとめられないような花です。
その花は、私の目には、とても美しく見えました。
そして私に、元気を出して!とエールを送ってくれているように感じて。
たくさんの愛を送ってくれているように感じて。
私は、泣いてしまいました。
花から、生きる力をもらいました。
そして、そんな花の存在や美しさにも気づかなかった、自分の愚かさに気づきました。
私も、この花のようになりたいと思いました。
つづく…。