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【収益査定シート付】初心者でもわかる民泊開業にあたってのプライシングの考え方

民泊の料金を決めるとき、まずは基準となる価格を設定することが大切です。この基準価格は、他の民泊施設と比べて自分の施設の強みや特徴を考えながら設定します。本記事では、初心者でも分かりやすいように、基準価格の決め方や季節や休日などによる価格の変動、さらには田舎で民泊を開業した際の初期投資とその後の価格設定についても説明します。


基準価格の決め方

基準価格を決める第一歩は、周りの民泊施設の料金を調べることです。同じ地域にある、広さや設備が似ている民泊の価格をチェックしましょう。そして、その平均的な価格を参考に、自分の施設の基準価格を考えます。

次に、自分の施設の特徴や強みを考えてみましょう。たとえば、以下のようなポイントをチェックします。

  • 部屋の広さや泊まれる人数

  • 設備やアメニティの充実度(例:キッチン、Wi-Fi、洗濯機など)

  • 特別な魅力(例:きれいな景色、観光地への近さ)

  • おしゃれな内装やデザイン

もし、これらが他の施設より優れていれば、少し高めの価格を設定しても大丈夫です。一方で、もし弱い部分があれば、価格を少し下げて競争力を持たせましょう。

基準価格を決めたら、それが適切かどうかを試してみることも大事です。最初の数週間、予約状況やお客様の反応を見ながら、必要に応じて価格を調整しましょう。

田舎で民泊を開業した場合の初期投資と内訳

田舎で民泊を開業する際の初期投資は、施設の状態や立地条件によって異なりますが、以下は一般的な内訳とその金額の目安です。

初期投資の内訳

  1. 物件購入費または賃貸契約費

    • 購入費: 数百万円から数千万円(地域や規模による)

    • 賃貸契約費: 初期費用として敷金・礼金で50万–100万円程度

  2. リノベーション・改装費

    • 田舎の古民家や空き家をリノベーションする場合、300万円–500万円程度が一般的です。

    • 必要に応じて水回りや電気設備を改善します。

  3. 家具・家電の購入費

    • ベッド、ソファ、テーブル、椅子など: 50万円–100万円

    • 冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどの家電: 30万円–50万円

  4. 備品・アメニティの準備費

    • 寝具、キッチン用品、清掃道具など: 10万円–20万円

  5. 広告・マーケティング費

    • 民泊サイトへの掲載料や写真撮影費: 5万円–10万円

  6. 許可取得や保険料

    • 住宅宿泊事業法に基づく届出や保険加入費: 5万円–10万円

合計すると、田舎で民泊を始めるための初期投資は、500万円–800万円程度が目安となります。

実例

例えば、地方の空き家を500万円で購入し、リノベーションに300万円、家具・家電の購入に80万円を使った場合、合計で約880万円の初期投資となります。この施設を一泊1万円で運営し、月に15組の予約があれば、月の売上は15万円です。年間では180万円の収益が見込まれるため、5年—6年で初期投資を回収する計画となります。

季節や需要の変化を考えた価格調整

基準価格を決めたら、次は季節や需要の変化に合わせて価格を調整する方法を考えます。民泊の需要は、季節や特別なイベントによって大きく変わります。

季節ごとの違い

観光地の場合、夏休みや冬のスキーシーズン、ゴールデンウィークなどの長期休暇の時期には予約が増えます。このようなピーク時期には、基準価格を20%から50%ほど高く設定することが一般的です。一方で、オフシーズンにはお客様が減るため、基準価格を10%から20%ほど下げると良いでしょう。

週末や祝日の違い

平日よりも週末や祝日のほうが予約が多くなる傾向があります。これに合わせて、週末料金を基準価格より10%から30%高く設定すると効果的です。

特別なイベントの影響を考える

地域でお祭りやスポーツ大会、大きなコンサートなどがあると、その期間中は観光客が増えます。このような特別なイベントがある時には、価格をさらに上げることができます。イベントの日程や影響を事前に調べておき、価格調整の計画を立てましょう。

また、地域で新しい観光スポットができたり、交通アクセスが良くなったりした場合も、価格を見直すタイミングです。

最低価格と最高価格の設定

価格を変動させるときには、最低価格と最高価格の範囲を決めておくと安心です。最低価格は、運営にかかる費用を下回らないように設定しましょう。最高価格は、その地域のお客様が受け入れやすい範囲内で決めます。この範囲を決めておくことで、価格を調整しやすくなります。

自動で価格を変える仕組みを使う

最近では、需要に応じて価格を自動で調整してくれるツールもあります。この仕組みを使うと、以下のデータを基にして価格が変わります。

  • 過去の予約状況

  • 現在の予約状況

  • 他の施設の価格

  • 天気の情報

  • 地域のイベント情報

こうしたツールを使えば、収益を最大化しやすくなります。ただし、価格が頻繁に変わりすぎるとお客様が混乱することもあるため、注意が必要です。

割引を活用する

長く泊まるお客様や早めに予約をしてくれるお客様には、割引を提供すると良いでしょう。これにより、予約が増えやすくなります。

  • 長期滞在割引: 7日以上の滞在で10%から20%の割引

  • 早期予約割引: 30日以上前の予約で5%から10%の割引

これらの割引は、オフシーズンや空室が多い時期に特に役立ちます。

まとめ

民泊の料金を決めるときは、まず基準となる価格を設定し、そこから季節や需要の変化に合わせて柔軟に調整することが大切です。田舎での民泊開業では、初期投資と運営コストを明確に把握し、需要に応じたプライシング戦略を立てることが成功の鍵となります。競合の価格や自分の施設の強みをよく理解し、試行錯誤しながら最適な価格を見つけましょう。また、自動調整ツールや割引の活用を通じて、お客様にとって魅力的で、運営側にも収益をもたらす料金設定を目指してください。

また、民泊開業を目指す方に収益査定シートを添付しておりますので必要な方は有料部分を購入いただきご確認下さい。

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