第17回 ”自由大学”からの場づくり:学びの場はどうすれば育つのか?
2016.07.05
林 篤志
合同会社 パラミタ 代表 NPO法人 土佐山アカデミー理事
株式会社 Next Commons 代表取締役
概要
地域の発展と豊かさは人とその知恵にある。
今回は、本会るーらんの趣旨でもある学びの場づくりをテーマに「地域のなかに、もう一つの学びの場をつくる」ということを改めてみなさんで考えてみたいと思います。
学びの場の育て方ということで、
まず、これまでの活動として
「自由大学」や「土佐山アカデミー」立ち上げの経験をお話しいただき、
そのあと現在取組み中の活動内容についてご紹介いただきました。
自由大学では、
「誰でも先生になれる」ということをキーコンセプトに、
教える側と学ぶ側の境をあえてあいまいにしておくことで
多様な関わりの生まれる場づくりを目指して
やってきたということで、3か月で月に100人が関わるように。
なんでも突き詰めれば学問になるという信条のもと
「学問を新たにつくるということを仕事にする」ことを
裏の目的として進めてきており
学びを軸にユニークなコミュニティがどんどんと生まれていく
仕組みができました。
次に、田舎の可能性に魅せられ、
人口1,000人の過疎の村で立ち上げた土佐山アカデミーでは
見過ごされがちな地域資源に付加価値をあたえる
ベンチャー事業が立ち上がっており、
5年目をむかえ6,000人以上が関わるように。
6か月滞在合宿型の起業家養成プログラムでは応募が3~4倍、
参加者の6割が土佐山に移住しそこで生計を立てています。
その後、林さんは一箇所でやることの限界を感じ、
より全国共通の課題に対する解、
また汎用的なモデルづくりが求められているということで、
現在各地でスクールを立ち上げようとしている最中です。
会場からは、
5年間で6,000人を越える参加者や、
10枠に500エントリーなどの実績に対して、
多くの主催者が苦労する
「人を集めるための工夫や秘訣」
についての質問が多く寄せられ、
大事にしていることとしてコンセプトづくりをあげ
①ワクワクするかどうか
②求められているかどうか
を徹底的に追及しているということをお話いただきました。
また、地域との関わりについて
新しいことをやることが地域の人に受け入れられない
という課題に対しては、
反応する人に働きかけ、理解してもらえない人には
どう伝えても理解してもらえない、
といったある種の割り切りも必要だとお話しておられました。
今後、学びの場づくりを考えていく上で
参考になる内容ばかりで、
今の時代の同世代にある空気感のようなものを
非常にうまくとらえることのできる方なのだなと感じました。
また、そうした感性を磨くために
いろいろな立場の人とわけ隔てなく話をすることを
心がけているということで、
明日より実践していきたいと思った次第です。
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