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人生このままでいいのかと思い悩む40代後半のすべての公務員へ(その4)〜50歳から新しい挑戦への軌跡〜


 このブログでは、公務員という安定した組織で30年間働きながら、50代を目前に「このままの人生で本当にいいのか」と深く思い悩んだ末、自分のやりたいことを見つけ、思い切って退職し、新しい挑戦を始めた私の体験談をお伝えしていきたいと思います。

 今回は、早期退職し、旅行業をセカンドライフ始めてみようと決断した後に起こった、マインドチェンジ(心の変化)のことについて書いていきます。

なお、前回のブログはこちらです↓


今までの自分

 それまでの私は職場の中にいる自分を好きになれませんでした。
市役所という堅苦しい組織の中で、うまく自分を表現することができず、ただ淡々と与えられた仕事をこなすだけの毎日が続いていたからです。

 40代中旬頃に入り、同世代の同僚や後輩が上司になり、報告する際には言葉を選ばなければならず、仕事でミスすれば怒鳴られることがあったり、そのたびに気持ちが沈んだり…以前は一緒に楽しく遊んでいた同僚たちと今ではまるで別人のように接してしまう自分に、どうしても違和感を感じていました。

 お昼休みの時間は、節約のために電気を消され、真っ暗な中で静かに食事をするのですが、周囲の同僚もスマホをかまいながら黙々と食事をしているので、ランチタイムに人と話もできない状況にいることで余計に気が滅入りました。
 もちろん、気を許せる同僚も数人はいましたが、それでも心のどこかで壁を作っていた気がします。

 今振り返ってみると、私は完全に「殻に閉じこもっていたんだな」と思います。職場にいる自分が、どんどん自分を抑え込んで、感情も思考も表現できない状態に陥っていたんです。


A君との出会い、そして自分を見つめ直すきっかけ

 以前、ある音楽イベントで、A君という男に出会いました。
 彼はこのイベントの主催者であり、長年にわたり地元の有志と力を合わせて、このイベントを通じて街の魅力を全国に発信してきた人物です。普段は飲食店など複数のお店を経営し、地域に根ざした活動を続けています。

 A君は私と年齢は同じですが、兄貴肌で面倒見もよく、彼の生き方はとても輝いて見えました。自分のやりたいことをしっかりと形にして、夢を追い続けてきた彼は、私とは正反対で、まさに「自分らしく生きている」人に見えました。
 その姿に触れると、私は羨ましさを感じると同時に、心の中に何かモヤモヤした感情が湧き上がりました。

 イベントは楽しかったのですが、あまりにもA君と生き方が違う私は、その場では無理にノリを合わせて、彼との会話を楽しんでいるように振る舞っていました。もともとノリのいい私はこうしていれば楽しい自分でいることができますが、月曜日に職場に行けば、またチンとした自分に戻るのです。

 ですが、他のスタッフにその“見せかけのノリ”が気づかれてしまいます。
 「A君て、ミヤコバナさんと同じ年だけど、全然若く見えるよね〜」

 そう言われた瞬間に、同じ約30年間に「今までやりたい事を続けてきたA君」と「生活のために死んだような人生を送っていた自分」の本質的な差を感じてしまい、同時に自分自身への強い嫌悪感が湧き上がりました。
 モヤモヤしていた理由の正体は、何もしていない自分、心から人生を楽しんでいない自分、ただ流れに任せて日々を過ごしている自分に対する怒りだったのです。しばらくの間、怒りが込み上げ、言葉を発することさえできなくなりました。

 今まで自分が何も挑戦せずにただ安定した環境に甘んじていたことで、自分は徐々に腐り、成長を止めていたことや、時間を無駄にしていたことを痛感し、同時にそのことが自分を苦しめている原因なのだと悟りました。

 A君に出会い、彼のように心からやりたいことに向かって進んでいる姿勢を見て、私はようやく自分の生き方を見つめ直すきっかけを得たのです。

 そして、今はやりたいことが見つかりました。
 
以前なら恐れや不安から手を出せなかったことかもしれませんが、今はその挑戦を楽しみ、心から行動していきたいと感じています。


マインドチェンジ

 2024年4月に、今年も退職希望願を提出しました。

 人事担当者からは、「今年も早期辞職しないのであれば受理はしない」と言われましたが、勤務31年目の今年は、最後の年になると決心していたため、再度提出しました。退職希望日は12月末としました。

 退職願を提出したことで、心の中のもやもやがすっかり晴れました。
 
部署の異動もなく、職場の状況は何も変わりませんでしたが、自分が今の状況を全て選択していることを強く実感できるようになり、そのおかげで以前のような仕事が辛いとかつまらないと感じたりすることも無くなりました。
 たとえ上司に怒られたり同僚に注意されてイライラすることがあったとしても、その怒りの対象は相手に対するものではなく、「この組織の中で、その人と一緒に働くことを選択している自分」に対する腹立たしさであると思えるようになりました。愚痴や文句を言える唯一の相手は、自分自身しかいないのです。

 他人をコントロールすることはできませんが、幸い自分のことは自分でコントロールできます。こうして全ての行動を自分の責任で行えるようになったことが一番の大きな変化です。

 もう職場での自分を嫌いになることもなくなりました。


読んでいただきありがとうございました。
次回は、「退職願の提出、そして針のムシロ状態」について書きたいと思います。

今日は、大晦日ですね。皆様良いお年をお過ごしください。


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