夢日記を続けると気が狂うって本当? 9月28日
夢を見た
新進気鋭のアーティストたちによるデザイン展を観に行った。場所は都会の中心にそびえ立っている巨大な電波塔、の向かいに対抗するように伸びている巨大な鏡張りのビル、その壁面に様々なデザイナーたちが考案した新しい信号機が埋め込まれている。渋谷みたいな都会の中心のビルにおびただしい数の奇抜な信号機が埋め込まれているので、この区画だけ交通が麻痺しそうに思える。
しかしデザインされた信号機たちが斬新過ぎて信号機っぽくないので、それは取り越し苦労というものだろう。びっしりと埋め込まれたデザイナーズ信号機たちの殆どは赤や青や黄色といったこれまでの信号機の色を使っていない。既存の信号機を連想させてなるものか、というデザイナーたちの矜持を感じる。
例えば「ジェラート」と名付けられた信号機がある。バニラアイスに溶かしたチョコをかけたような柄の信号機で、点灯するとチョコがだんだん溶けていくような演出が入る。
他にも「陰キャ専用」「咎」「ドーナツ」などといった、斬新な信号機たちがずらりと並んで、信号機とは関係なく人々は足を止めてそれを見物している。
「これじゃあTシャツにしかなりませんよ!」と叫ぶ声が聞こえた。それは白いシャツを着たベテラン芸術家だった。
「どいつもこいつも!Tシャツにしかならないようなもんばっかりか!」白いシャツのベテラン芸術家は嘆いている。もっと攻めろよ、的なことを言っているのだろうか。
「あれもこれもそれも!全部Tシャツ!」白いシャツのベテラン芸術家の周辺には空洞ができている。誰もああいうのの相手をしたくないのだ。
近所を歩いた
家の外なのに静寂が訪れた。視界内の風景に動いているものが一つもないのだ。車もいないし歩行者もいない。「あの世」という単語がよぎった。
すぐに曲がり角からクラクションとともに車が現れた。背後から別の車が僕の背中を照らした。僕はまだ生きていた。
理想の死に方にかなり近い瞬間を過ごした日だった。