夢日記を続けると気が狂うって本当? 10月31日
夢を見た
3色宝石は細かく砕かれた砂利のような石を十円玉くらいの大きさの金型の中でよく捏ねることで完成する。こうやって工程を説明するのは簡単だが、実際に3色宝石を作れる人物は限られてくる。
通常、石をいくら混ぜたところで液体のように混ざるわけがない。熱しながら石を混ぜても石なので溶けることなどなく、熱い石を転がすばかりでそれは混ざったりしない。
つまり、3色宝石を製作できるのは人知を超えた能力者に限られる。ありえないことをやってのけることから、3色宝石製作者は魔法使いとも呼ばれている。
3色宝石を製作する工房は必ず地下に存在している。石を混ぜて溶かすという超常現象を窓から覗き込まれたりすると色々と面倒が起こってしまうからである。時間もかかるし集中力も必要なので、周囲の環境は変わらないほうが好都合だ。
そうやって作られた神秘の結晶である3色宝石を、僕は自販機の下に落としてしまった。貴重な一品であるからして、必ず取り出さなければならない。僕は必死こいて自販機の下に手を突っ込んでいた。なかなか取り出すことができす、僕はイライラしていた。
近所を歩いた
近所には割と多くの十字架の看板が存在している。キリスト教関連の宗教施設である。その中のいくつかは、日曜日にありがたい説教があるので来ませんか、参加自由で御座候、といった趣旨の張り紙を出している。
僕は生まれてこの方神を信じる信徒たちと一緒に活動したことはない。ただ、一緒にされそうになったことはある。
以前、僕は断酒会にお試しで参加してみたことがある。理由は身の危険を感じたからである。これ以上呑み続けると終わる、という危機感に追い立てられて断酒会に顔を出してみるとこにした。
そこは人が人を支え合う組織とは少々違うらしかった。参加者たちのほとんどは、自力で酒をやめることを諦めているらしく、神様に救いを求めていた。
参加者たちは神への祈りだか誓いだかの言葉を口にしていたが、僕はその様子を見てなんだか冷めてしまった。神に救いを求めるのはいいとした、誰が信じるどういう神なのかがわからないのが嫌だったのである。
それから体験入会を適当にやり過ごした僕は、その日のうちに酒を飲んで寝た。夢は見なかった。