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仮説検証は水平思考クイズみたいなもの

「仮説検証が大事」という話は、社会人になって耳にタコができるほど聞かされましたが、自分としてはいまいちピンと来ていませんでした。自分なりに仮説立てをして施策に取り組もうとしても上司から

「それって施策が当たるまで無限に試すことになりませんか?」
「あなたが自分で『これで行ける』という確信を持っている感じがしない」
「とはいえ、別に施策がうまくいくという保証をしてほしいわけじゃないんです。わかります?」

と言われました。
ごめんなさい。ちょっと何言ってるかわかんないです。

「マーケティングの施策ってどこまでいってもやってみなきゃ当たるかどうかわからなくない?」というのが率直な感想でした。

そんな風に思っていたところを同僚に相談してみたところ、
「仮説検証の考え方って、水平思考クイズみたいな感じなんですよ」と教えてもらいました。

水平思考クイズとは、出題者が考えているお題に対して、回答者が「はい」か「いいえ」でこたえられる質問をぶつけて、お題を導き出すクイズです。

例えば、「私が思い浮かべているものを当ててください」というお題に対して

「生き物ですか?」→「いいえ」
「日常生活で利用しますか?」→「はい」
「食事に使いますか?」→「いいえ」
「手で持てる大きさですか?」→「はい」
「機械ですか?」→「はい」
「回答はスマートフォンですか?」→「はい」

といった具合です。

これの肝になるのは、最初はある程度ザクっととした質問をぶつけることです。
いきなり細かい質問をしても回答が絞られないので、おおよそ想定されうるものを半分に絞り込めるようなアタリをつけることが大事です。

仮説検証においてもこういうある種の思い切りが必要になります。
例えば、ハンバーガー屋さんのマーケティングをしているとします。競合としてマクドナルドをベンチマークとしているとします。そうすると「なぜマクドナルドは売れるのか?」という分析をして、自社の施策に活かしたい場合、仮説としてはこの辺りが出せます。

①「すぐに食事がでてくるから」
②「立地がいい場所にあるから」
③「安価でおいしいから」

たぶん、どの要素もあるのですがマーケティングをする上では「何が一番重要か?」という質問に答えられなければなりません。
なので検証施策としてはそれぞれに振り切った施策をやるべきです。例えば①を検証するのであれば、「必ず1分以内に提供するようにする」などです。この場合、しっかり売り上げが立てば「速さが重要である」という結果がえられそこから速さを求めている人はどんな人か?という観点から次の施策が立案できます。仮に外した場合も「速度は重要ではない」という結果が得られ、次は速度以外で何が重視されているのか?という検証に進むことができます。

全部の要素を含めて施策を打つのは、一見すると勝率が高そうですが、当たった場合も外した場合も、どの要素がよかったのか、悪かったのかがわからず、次の施策に生かせません。

マーケティングにおいて重要なのは数値を上げること自体もそうですが、「わかったこと」を増やして施策の勝率自体を上げていくための動きも重要です。

そんな同僚の話を聞いてから、やっと上司の言わんとすることがわかりました。マーケティングの施策は確かに、やってみないと当たるかどうかはわからない。だから施策は次に活かせるものでなければならない。そのためには考えうる要素を抽出して、それ以外の要素をそぎ落として振り切った施策を実施してみるべきだと。





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