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食料支援に求めるのは
2018年3月9日から食料支援を続けています。この活動の中で、さまざまな状況に遭遇してきました。
例えば、ある支援団体から「食品が必要だから、いつでも持ってきてほしい」「いつも必要としている」と言われ、私は週に一度、食品を届けていました。ところが、ある日その団体の事務所を訪れると、一週間前に置いた食品がそのまま手つかずで残っていました。さらに翌週も同じ状態。それでも団体からは「まだ欲しい」「もっと持ってきてほしい」と、変わらず要求が続きました。
私たちが行う食料支援は、賞味期限の長いものでも短いものでも、まず必要としている方々に素早くお渡しし、その方々がご自宅で保管し、日々の食卓に活かしてもらう仕組みです。単に食品を届けるのではなく、「食」を通じて心も豊かになり、そこから勇気や希望を感じ、前向きな気持ちになってほしいと願っています。
しかし、食料支援が「あるのが当たり前」になったとき、そこに感謝の気持ちは薄れ、次第に「もっと欲しい」という要求へと変わっていく。支援を続ける中で、そんな場面に何度も直面しました。食べることは生きること。だからこそ、必要とする人に届けたい。でも、それが本当に必要なのか、それともただ「もらえるもの」として受け取られているのか——その境界線の曖昧さに、私たちは何度も立ち止まりました。
食料支援とは、単に食品を提供するだけではなく、それが必要な人に届き、日々の食卓を支え、心の余裕につながることを願っての活動だと考えています。だからこそ、食べることのありがたみや、支え合うことの大切さが伝わることを願っています。
誤解されたくないのは、私たちは「感謝されるため」にこの活動をしているわけではないということ。しかし、支援する側と受け取る側が、どちらか一方が「与える側」、もう一方が「受け取る側」と固定化され、そこに尊重し合う気持ちがなければ、関係はどこか歪んでしまうように感じます。
理想的なのは、お互いが対等でいられる関係。「もらって当然」でも「与えて当然」でもなく、「ありがとう」と「助かります」が自然と交わされる場。支援活動は上下関係ではなく、支え合いの関係であるべきだと思うのです。
実際、食料支援によってポジティブな変化も生まれています。「家でのケンカが減った」「子どもが落ち着いた」「生活に少し希望が持てるようになった」——そうした声を聞くたびに、食べることは単に栄養を摂るだけではなく、人の心にも影響を与えるのだと感じます。
だからこそ、私たちは続けます。感謝を求めるのではなく、お互いを尊重し合い、爽やかな気持ちで向き合える関係を大切にしながら。
#食料支援の現実 #支え合う社会 #対等な関係 #ジャパンハーベスト