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「おいしい岡山エコキッチン」と岡山弁の心
今日は、岡山県備前県民局の地域づくり推進事業の採択に向けたプレゼンテーションの日でした。道中、車内で聴いていたのは、藤井風くんの歌。岡山弁がたくさん出てくる歌詞を耳にしながら、県民局へと向かいました。
私が掲げたテーマは 「おいしい岡山エコキッチン」。規格外農産物や食品ロスとなる食品を活用し、お惣菜を作って必要な人に届ける。単に余ったものを分けるのではなく、農家の方々の手助けとなり、労働力の一端を担う。そんな仕組みをつくることが目標です。
「もったいない」はよく聞く言葉ですが、岡山の人たちは昔から「使えるもんは最後まで使う」「ええもんはちゃんと食べきる」という考え方を大切にしてきました。私が小さい頃、祖母によく言われたのは 「米一粒でも残したら目ぇつぶれるで」 という言葉。冗談交じりに言っていたけれど、その言葉の奥には「食べ物を大切にする心」がありました。
規格外農産物というと、「見た目が悪いだけで食べられるのに捨てられるもの」と思われがちですが、実際はそれだけではありません。収穫時に天候の影響で規格に合わなかったもの、市場に出せないけれど味は変わらないもの、農家の人が手間暇かけて育てたのに値段がつかずに困っているもの。これらを無駄にせず、おいしい料理に変えるのが「おいしい岡山エコキッチン」の役割です。
岡山弁には 「しわい」 という言葉があります。もともとは「硬い」「噛みごたえがある」という意味ですが、転じて「粘り強い」「しぶとい」といった意味にもなります。食品ロスの問題も、「しわい」気持ちで向き合い、簡単に諦めずに工夫し続けることが大事なのかもしれません。
また、岡山弁の 「おえん」 という言葉。「それはおえん(ダメだ)」という言葉の中には、単なる禁止ではなく、「そんなことをしたら後々困るよ」「もっと大切にせんといけんよ」という、相手を思いやる気持ちが込められています。食品ロスも、まさに「おえん」こと。食べられるものが捨てられる社会は、見直すべきです。
おいしい岡山エコキッチンが目指すのは、食べ物を最後まで活かすこと。そしてそれを通じて農家も、食べる人も、地域も元気になること。岡山の食文化や言葉に根ざした「もったいない」の心を、もう一度思い出しながら、地域の皆さんとともに取り組んでいきたいと思います。
「なんしょんなら?」
「食品ロスを減らしょんじゃ!」です。