Shadowverseが弱い貴方(と、私)へ。積極的ニヒリズムを添えて。
序
本格スマホカードバトルShadowverseを牽引し、毎期毎期ランクマッチ、JCG、レート、チーム戦等で研鑽を積まれている(であろう)皆さん。こんにちは。
この記事は「Shadowverseを遊戯として楽しみたい人」に向けての記事となっています。
具体的には界隈に身を置きつつも弱い事に引け目を感じている人、もうそろそろShadowverse競技勢を引退したいと思っているけど出来ない人、今後どうしようか迷っている人に向けての記事です。
競技勢の方、勝利を追い求めて結果を残したい!という方にとっては不快に思われる表現が多発する恐れがありますので、ブラウザバッグしてこれとは比べ物にならない程為になるアドカレ記事の方を楽しみにして頂くか、もしくはご理解、ご了承の上でご覧下さい。
これは、約三年Shadowverse界隈に身を置きながらも、チームや窓で色んな人と色んなことを喋ったり、別のゲームをしたり、たまにShadowverseの大会に出たりと、競技環境を身近に置きながらもほぼ一度も所謂、「競技プレイヤー」としてShadowverseをプレイしていない一般プレイヤー(@r_p_k_n_)の、「面白くないShadowverse、真剣にやる意味ある?」という趣旨の記事です。この後も駄文が続きますが、先に纏めておくとそれだけの話です。
Shadowverseに対してのモチベーションにあふれてる!これから競技勢頑張るぞ!という人は、折角のモチベーションを無駄にしたくないなら、この先をご覧にならない事を重ね重ね推奨しておきます。
「頑張っている人を馬鹿にしている!」と批判されてもタッチしません。その人が楽しいならそれで良いと思います。多分。
そしてもう一点。
この記事には「そんなの当然じゃん...」という事しか書いていないつもりです。
「だからどうしたの?」と言われたらぐうの音も出ません。
当たり前の事を肯定する為に書いたまでです。
浅学菲才の筆者が受験勉強の気休めに書いた戯言と思っていただければ幸いです。
さて、「遊戯としてShadowverseを楽しみたいよ!」という方々、改めてこんにちは。
皆さんは普段、どの様な環境でShadowverseを楽しまれているでしょうか。
一日何時間程度Shadowverseをプレイされているのでしょうか。
どの位、Shadowverseに課金されているのでしょうか。
いずれにせよ、私達はShadowverseというゲームで他人と勝敗を競う事を楽しみ、また(可能ならば)勝つことを望んでいるはずです。
対戦ゲームにおいて、勝たなければ楽しくない側面って少なからず存在しますからね。
破
(閲覧注意)
真面目にShadowverseをプレイしていると、多くの人にある一つの疑問が提起されます。
「あれ?このゲームやって、何になるんだ?」と。
3ヵ月に一回リセットされるMPを毎期の様に盛って(それも、多くの場合終盤は苦行になります...)、時間があったら(もしくは、捻出して)JCGや個人大会に出たり、チームとしてSAリーグ(現SCL)に出たり、その為に調整や練習を重ねる。
上手い人はプロやレート杯、覇者を目指して頑張っているけど、そんな実力には自分にはない。
そのうち「目的」と「手段」が入れ替わって、強くなる事だけを希求してしまう。
「あれ?これ、何のためにやってるんだ? 」と。
(努力の過程が楽しい!ランクマ最高!調整最高!という方はモチベーションを下げてしまうだけなのでブラウザバックを今一度推奨します。)
MPランキングをちょっと走ってみたり、10000位報酬を受け取る為に少しランクマッチに時間を割いたり、個人大会で優勝する為に頑張る位なら出来る。
だけれど、来期パックを引いて、それだけで自分の費やした時間って何だったのかな。と思う。(10パック、2時間バイトするだけで手に入ります。)多くの人が経験したことがあるんじゃないかな、と思っています。
そもそも、仮に覇者を取ってもほぼ何も無いですからね。
取れるかもわからない覇者称号の為に一か月の間毎日何時間もランクマッチに潜って、それでも「覇者になりました!」ってツイートが界隈でちょっとだけ出回って、ちょっとだけ認知されて、一つだけ実績が出来て、称号とアイテムが貰えて、それだけですからね。
シャドバやってないリアルの友達にも、勿論親や子供にも決して自慢できる事じゃないですし、世間の人からは「あの人、ゲームにばっかり時間かけて馬鹿なんじゃないの?」と思われるだけです。
同じようにJCG優勝しても、言ってしまえばほぼ何も無いですよね。
シャドバ界隈の実績にはなるし称号は貰えるから勿論貰えるなら欲しいけど、週に3人も量産されるJCG称号、現実世界を生きる人間にとってははっきり言って頑張って取る程の価値は無いです。
(自分は覇者もJCG優勝も取った事のない雑魚プレイヤーなので、もし「覇者やJCG優勝を取るとこんな良い事があるから是非取った方が良いよ!」という方がいらっしゃったら是非教えてください。)
あんまり言い過ぎると怒られそうなので話を戻しましょう。
これ、何もShadowverseに限った話では無いですよね。ゲームにはよくある事だし、その他の趣味、もしくは勉強や仕事、日常生活に置いてもそれを感じている人は多いと思います。これが所謂「ニヒリズム」です。
これに、心理学は大いなる対抗策を打ち出しています。
有名な「アドラー心理学」に於ける「意味付け」です。
「本質的に価値は無い事は認めてしまおう。その上で積極的に自分から物事に意味(価値)を付与してしまおう!」という事ですね。
更に、仏教もニヒリズムに対しての対抗策を持っています。
般若心経に於ける、「是故空中」、「是諸法空相」という言葉です。世俗諦、つまり私達が生きるこの世界は例え「仮」であったとしても存在するのだから、それを大切にすることは当然だ、価値が無い事は決して悪い事では無いんだ!という事です。
ニーチェの生まれる何百年も前からこんな言葉があっただなんて、仏教はすごいですね。
そもそも、実はニーチェ自身も先の「消極的ニヒリズム」に対して、「積極的ニヒリズム」という姿勢を持つことで脱却しよう!と言っています。
虚無状態を積極的に肯定した上で、全ての物事に価値などないのだから楽しんでしまおう!という姿勢です。
賢明な貴方達は、もうこの三者が言っている事の本質は一緒だ、という事に気付いていらっしゃるでしょう。
そうです。ニヒリズムへの対抗策は一つ。「諦念」です。
結局Shadowverseに意味なんて無いです。他のこの世の全ての物事と同じく。
あんまり主語を広げすぎてしまうと良くないので、Shadowverseの話に限定しましょう。
勝っても、負けても、意味なんて無いのです。
「なんで〇〇さんは勝てるのに俺は勝てないんだ~」と卑屈になる理由も無いし、どこまでも強さと結果を追い求めなければいけない理由もないのです。
では、何故貴方は楽しくも無いShadowverseに時間を割いているのですか?
Shadowverse、とっても楽しいゲームですよ。
Shadowverseをやっている人達も、優しくて面白い人がとっても多いですよ。
Rating for Shadowverse、とっても楽しいですよ。好きな時に好きなだけBo3が出来るので、ランクマッチのBo1とはまた違った楽しみがありますよ。「ネタデッカー」になれと言っているわけではありませんが、彼らの楽しみ方はある意味自分の求めている物を突き詰めた形なのかもしれません。
楽しみを捨ててまで得る勝利や結果に、意味なんてあるんでしょうか。
いえ、楽しむ事こそに意味があるんです。
だから、無理に勝とうとしなくて良いんです。
普段「勝つ事が楽しさだ!」と思っている貴方も、勝つために一生懸命に努力をしてきた貴方も、負けた時位は逃げても良いんです。
大丈夫です。Shadowverseをプレイしている人のほとんどは、そんなに大きい実績なんて持ってないです。
悔しさをバネにして頑張っても、勝って喜べる確率よりは負けて更に悔しい思いをする確率の方が圧倒的に高いです。時間の無駄です。
Shadowverseしか特技や居場所が無いんだ、と考えている貴方、そんな事は無いです。
一日何時間も面白くないShadowverseをやらなくても貴方には得意な事があるし、貴方の居場所はあります。
それを見つける時間すら、Shadowverseに注いでしまっているだけです。
「Shadowverseを引っ張っているのはガチ勢だ!」と考えている人も多いと思います。
違います。
プロを目指したり、競技として楽しむ人間は全体のごく少数で良いんです。Shadowverseは、プロとの距離が近いのでそう思ってしまっているだけです。
ゲームであるShadowverseの主役は競技プレイヤーではなく、寧ろ「遊戯として」Shadowverseをプレイしている人間であるべきです。
これはShadowverseがE-Sportsかどうかに関わりません。
APEXやLoLも、もちろんサッカーや野球も「遊戯として」それを楽しんでいる人の方が多いです。
E-Sportsも普通のスポーツと変わらず、その主役は競技プレイヤーでは無い所にあるべきなのです。
だから、貴方が勝ちに貪欲にならなければいけない理由は、どこにも無いんです。
どうか、貴方がShadowverseを楽しむ事を諦めないでください。
強くなくてもShadowverseをプレイする権利はありますし、強くなろうとしていなくてもShadowverseをプレイする権利はあります。
補
(読まなくていい)
さて、「補」という事で、「序破急」よりも、もっともっと為にならない、個人個人感じ方が千差万別であろう事を話したいと思います。
Shadowverseの話は一切してないです。
『楽しい』って何だ?
『楽しい』という感情は、『幸福』という単語に言い換える事ができると思っています。
では、『幸福』とは何なのだろう...
今の自分が考えている『幸福』とは一言で言えば、「他人と比べる事の出来ない主観的な物であり、かつ自分の中では暫時相対的な物」です。
後半から説明した方が理解しやすいと思いますので後半の説明から。
これは、生物の持つ「慣れ」という特徴に深く関わっています。
人間は幸せな状態に慣れてしまうと些細な事でも「不幸だ...」と思ってしまうし、不幸せな状態に慣れてしまうと些細な事でも「幸福だ!」と感じるはずです。
誰もが経験した事があると思います。
「幸福」とは、自分の置かれている状況に左右される、とても相対的な感情なのです。
そして前半部分。
前述のように「幸福」とは個人の置かれている状況に大いに左右されます。
これは表面的には同じように見えても、「私」と「貴方」では受け取る幸福の度合いが違うという事を意味します。
小学生と社会人の1000円のお小遣いの嬉しさの違いとか、自分の趣味のグッズが手に入った時の喜びとか、まぁ色々あるのでわかって頂けると信じています(?)
まぁ、こんな事は誰にでもわかる事です。
ここで提起したいのはこんな事ではありません。
ここで本当に言いたいのは、
「自分の信じた『楽しい』は本物か?」一度疑ってみようという事です。
先程、「物事に自分で価値を付与しよう!」という話を紹介しました。この場合「価値」=『楽しい』ですね。
「幸福は自分オリジナルのはかりだ」という話もしました。
これはつまり、「自分の置かれている状況に盲目になり、本当はさして幸福ではない状態を幸福だと錯覚してしまっている可能性を多分に含んでいる」という事です。
では、今貴方が感じている「楽しい事」って、「本当に楽しい事」なのか。
うーん。わからないですね。勿論他の人にもわかりません。
人間誰しも、「見えている幸福に騙されて本当は辛いのに(無意識に)我慢してしまっていたな...」という時期ってあると思います。
大局的に『楽しい』を誤認してしまっていた。という事ですね。
大きな時間的隔たりが無くても、この事例はしばしば発生します。
例えば、「Aを趣味にしていたけれど、Bという趣味に合ってから、AよりBの方が楽しいと気付いてAをやらなくなってしまった...」という様な場合ですね。
友人関係等の人間関係に当てはめて頂いても良いかもしれません。
でも、何とかして「より楽しい状態」のみをキープ出来ないだろうか…一途な幸福追求者の皆様の中には、そんな思考に陥る方もいらっしゃるかと思います。
自分も思い悩んでいた時期がありました。
しかし、考え抜いた結果導き出された結論はそれは無理だということです。ですが、努力する事は可能だと思います。
無理だという結論に陥った理由、それは「この問題って、別に悪い事じゃないじゃん!」と考えるようになったことに起因します。
今一度、「幸福の慣れ」という観点を思い出して頂きたいと思います。
今ある幸福を享受していたところで、何か刺激が無いとそれは薄れて行ってしまう物です。
だから最近のゲームにはアプデが入るし、いずれ今の恋人にも冷めて別の異性を探し始めるんです。同じです。
後から「あれ、これ前の趣味より面白いじゃん!」と思った趣味だって、いずれもっと楽しい趣味が見つかるでしょうし、それは決して同一時間上と仮定して比べる事はかなわない感情です。
「以前、ああしておけばよかった~」という事象についても同じです。
では、「努力する」とは何なのか。
「盲目的にならない様にする」という事です。
とりあえず、「自分の幸福は自分オリジナルのはかりなんだ!」とか頑固な事を言わずに他人の言っている事に耳を傾けましょう。それとこれとは別の話です。比較する事は出来ないですが、他方そのものの持つ本質的な「面白さ」というのは不偏的な物だからです。
色んな人の状況を、外の世界を見てみてください。
そして、自分に合う物を選べばいいんです。
一度疑ってみる事こそに意味があると思っています。
もし、改善出来たらそれだけ儲けものですからね。
(勿論、将来の夢ややりたい事の為に努力する事は素晴らしい事です!未来の大きな幸福の為に現在の幸福を犠牲に出来るのはとても勇気ある決断です!応援しています!)
万が一それで今のコミュニティや友人関係が崩れた所で、時が経てばまた仲の良い友人は出来るし居場所も見つかります。
急
(更に閲覧注意)
ここまで別に為にもならない駄文を読んで下さっている皆様へ敬意を表して、更に前衛的な自分を守る方法を伝えたいと思います。
「破」では、「勝ちに貪欲にならなくて良い」という話をしてきましたが、そもそも「勝ちに期待する」の、やめませんか?という話です。
(注:個人の見解です。所属している窓、チーム等には一切関係ありませんのでご理解の程お願い致します。)
分かりやすい例で言えばチーム単位でのBo9。
勝ちを積極的に求める風潮の強いDSALに対し、エンジョイチームをメインに、しばしば楽しむ為の物としてSCL(旧SAリーグ)がありますよね。
『良いエンジョイチーム』として、「負けても責められない雰囲気」というのが『エンジョイ勢』の多くの人にとっての希望です。
けれど、最初はそうでも数回勝ってしまうと流れで「ずっと勝ちたい!決勝リーグへ行きたい!」という雰囲気が形成されてしまう事って、往々にしてある事だと思います。
「勝つ為にやってるんじゃなくて楽しむ為じゃなかったの?」と言いたいけれどチームの為を思うととてもじゃないけど怖くてそんな事言えない、結局自分は弱いしチーム戦には出られない...経験した事がある人はいると思います。
そんな時は、チームの為に負けてしまいましょう。というのが自分の導き出した結論です。
それでメンバーが怒って話しにくくなるなら、それは貴方の望んでいた楽しむ為のチームでは無いです。
人間は弱い生き物です。
期待出来てしまうから、期待してしまうのです。
雪山で遭難した時、眠りかけた大切な人の目を覚ますためには、殴ってしまうのが一番早いです。
(この記事を見せる、という方法もありますが恐らく喧嘩になります。)
最初は楽しんでやっていたのに、「勝ちたい」という希望が湧いてしまった時、もう一度良く考えてみてください。
期待する事って、実はそんなに良い事じゃないです。
勿論、勝つ事は楽しいです。
けれど、期待すればするほどに、負ける事は楽しくなくなってしまいます。
私達にとって一番良いのは、「期待してなかったのに、何か勝てちゃった!ラッキー!」という状態だし、一番悪いのは「時間を切り詰めてたくさん練習したのに負けてしまった、はぁ、」という状態なのです。
つまり、結果に結びつかない全ての努力は「意味がない」というよりも寧ろ「時間を消費して悲しみを大きくしているだけ」です。
とても運の絡むゲームであるShadowverseにおいて、そんな賭けをする意味がどこにあるんでしょうか。
そんなに努力がしたいなら、もっと努力が結果に結びつく物に時間を注いだ方がいいです。
Shadowverseが弱い貴方へ。
勝てなくて責められた時。
自分を責めずにはいられない時。
諦めて逃げてしまいましょう。
もっと気楽になりましょう。
強くなることではなく、楽しむ事に全力になりましょう。
Shadowverseって、楽しいゲームですよ。
貴方がShadowverseを心から楽しめる事を願っています。
「Shadowverseが弱い貴方(と、私)への、エンジョイプレイのすゝめ。積極的ニヒリズムを添えて。」でした。
冗長でよくわからない駄文の連続で疲れたかと思います。お疲れさまでした。困っている方一人の一助にでも成れば幸いです。
投稿の数日前、ホロライブ所属のラプラス・ダークネス様(?)が先日の配信で本当にこの記事の核心を突いた事を端的に仰っていて、「あれ、この記事公開する意味ある…?」となっている筆者がお送りしました。
さて、最後になりますがこの記事はToby(@toby_24ss)様主催「シャドウバース(昼の部) Advent Calendar 2021」に参加させて頂いた物となります。
感想、批判等は「#svアドカレ2021」を付けるらしいです。(こんな記事を最後まで読む人の中に、この記事のターゲット層がどれだけ残っているのか…怖くて見れないです。)
今晩 まる(@mal_shadow)様
明日 Krone(@krone_sv)様
iDeal | tomato(@tomato_sdv)様
と、自分など遠く及ばない実力者や有名人の方の記事が続々投稿されています!是非ご覧ください!
P.S.
Shadowverseを競技面から支え、E-Sportsとしての側面を成り立たせている競技勢の皆様へ。
貴方たちのお陰で、「エンジョイ勢」は「エンジョイ勢」足り得ています。
プレイング面、構築面での研究を重ね、結果を残している皆様がいるから私たちは楽しくShadowverseをプレイ出来ています。
本文の対象とは異なるのであまり触れられていませんが、楽しくShadowverseをプレイしている人間が必要な様に、真面目にShadowverseに向き合う人間も又、Shadowverseというゲームには必要です。
これからもShadowverseを盛り上げて行って頂ければ幸いです。