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「それってパクリじゃないですか?(第3話)」知的侵害問題の中の屁理屈も理屈という罠

このドラマ、1話1話、特許や商標登録という知財というものがどういうものであるか、わかりやすく教えてくれている。実際のところ、中小企業などでは、こういうことに対しまだまだ意識が低い中で仕事をやっている企業も多いだろう。だが、今回出てきたように、知財をしっかり管理するにはお金がかかるのだ。そして、ここでは親会社から重岡大毅が出向社員としてきているが、まず、弁理士というものの数が少ないのも問題なのだと思う。そして、重岡がここでいうように、「屁理屈も理屈」なのだ。そういうものの言いようを判断できないと仕事にならない。なかなか自ら飛び込みたいと思える仕事でないことが難である。

今回は、月夜野ドリンクの新商品のお披露目シーンから。飲んでいくと色と味が変わるという「カメレオンティー」を作ったが、これに関する知財業務が開始される。まずは、商品に特許の侵害がないかどうかを調べる「侵害予防調査」をしなければならなかった。それを重岡に言われ、期日を決めて任される芳根京子。知財の仕事の意味合いはわかっても、今一つその業務の大変さが見えていない芳根。ネットの特許サイトでキーワード検索を開始する。

今は、こういうふうにネットがあるから良いが、昔は然るべきところで缶詰になってこれ調べてたんでしょうね。弁理士の仕事って自分は絶対にできないと思ったりしましたものね。ただ、ネットが使えるということは、商品に対する特許侵害も見つかりやすくなる。ということで、こういう事項の裁判も増えている気はする。ここにも、ネットは便利なのかどうか?というものが見え隠れする。そして、こういうデータ分析はAIが得意なわけで、今にAIが特許侵害を警告してくる時代になるでしょうね・・。いろいろ考えさせられる。

話は、その調査を始めた芳根が、同僚の朝倉あきが開発してプレゼン間近のスムージー商品に他社製品の特許侵害があることがわかる。芳根は知財業務をしながらその対応の実験に付き合うことにする。普通に考えてこの掛け持ちは無理。それをわかっていて彼女を見守る重岡。

疲れて、休みの日にスムージーの原料の野菜を作る農園にいくことにする。ここで、休日出勤するしか考えられない人にならないのは正解。煮詰まった時に視点を変えることは大事。そこで、特許の本質である、一部でも違う要素があれば特許侵害にならないかも?ということに気づく芳根。つまり、「屁理屈も理屈」の本質に辿り着く。このきっかけを作ってくれた、農家のおじさん役のやついいちろうさん、こういう役が似合っていました。彼の喋り方がすごくそれらしかった。

そんなこんなで特許侵害問題は解決するも、朝倉のプレゼンは成就しなかったという流れや、重岡が芳根に命じていた仕事を一緒にやっていたという現実が最後に見えてくる。知財の仕事はそんなに単純でないとなかなかうまく表現できていたと思う。ここで、重岡を悪い人に見せていないのはやはり上手い脚本であると思う。

とにかくも、知財教育に役立つドラマにはなっている。知財というものが世の中ですごく重要だというのはわかる。だが、これを見て弁理士になろうと思う人がどのくらいいるかは別の話である。

でも、回を重ねるごとに芳根がそれのエキスパートになっていく感じは見えるし、新商品の一悶着はまだあるだろうし、展開が楽しみなドラマにはなってきた。

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