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「魔法のリノベ」住宅リノベーションという舞台が、違う視点からのホームドラマを作る

間宮祥太朗は、このドラマで、今年3クール連続主演である。どうしてそうなったのかはよくわからないが、彼自身の演技の幅が広がっていることは確かだ。「半分青い」に出てた頃に比べると、面白い役者になったものだと感心する。今回はバツ2の冴えない営業マン。この前の高校生から、子持ちの親に変われるのも、彼の魅力なのかもしれない。

原作は星崎真紀のコミック。脚本がヨーロッパ企画の上田誠というところが、期待できるところ。流石に、それは小気味よく、なかなか面白いドラマに仕上がっていた。そして、出てくる人間たちのキャラ作りもうまい。

舞台は工務店。リノベーションの営業のやりとりで、今の世の中を描き出す感じ。ライバル会社からやってきた波瑠が、間宮とバディになって、仕事に恋に励む感じなのだろう。今クールは、月9もバディもので、舞台は全く違うが、バディの描き方が結構比較されるだろうなと思われる。ここまでは、両方とも、なかなか面白い組み合わせだと思う。

波瑠という女優さんは、どちらかといえば常識的なところができないような役が多いが、今回は、会社に入ったその日に、皆とうまくコミュニケーションが取れる役。とはいえ、前の会社で問題があってここに移ってきたわけで、なかなかの曲者感はある。仕事の曲者感は、イントロのように、間宮が客を取られてしまうところでよくわかる。そして、その彼女のリノベの提案に完全に負けたことも認めてしまうわけで、わかりやすい話。

ある意味、リノベーションという仕事は、提案が全てなのだなと感じた。いわゆる、ゼロから物を作り出すわけではないし、限定的なところから、どう、お客さまに合った世界を作り出すかというところがキモになるわけだ。それは、アイデアが全てみたいなところがあり、この営業、確かに好きでなくてはやっていけないし、居住空間にいかに興味を持ち、なおかつ人間自体に興味がないと、なかなかベストな提案ができないということが、ドラマから見えてくる。なかなか興味深い!

そして、初回のお客さまは、文芸誌の編集長の中山美穂と、寺脇康文夫婦の、かなり年期の入った古い住宅のリノベ。ライバル会社は、ほぼ柱だけ残して作り替えるような話に持っていこうとするが、間宮と波瑠は、この住居が中山美穂の親が作った物だと知り、彼女の煮え切らない気持ちを察する。そして、残すべきところは残して、思い出が繋がるようなものにしようと提案して、案件を勝ち取る。美穂さん、相変わらず綺麗なのですが、最近は、こういうドラマの端役が多いですよね。今だからこそ演じられる役を主役で演じてほしいです。そういうのは、テレビドラマでは無理っぽいですが…。

ここでは、間宮が波瑠から、営業の仕事を学んでいくわけで、そういうリノベのハウツウ的な要素も多分に含んでいる。そして、最初はまともな役だと思った波瑠だが、職場で寝袋で寝てしまうような、やはり普通でない役だということがバレてくる。波瑠は波瑠としてキャスティングされているのだなということですね。とはいえ、このバディの恋模様もありそうだし、その辺りを上田脚本はどう、面白く描いていくか?というのが見どころですな。かなり期待しています!


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