【水田稲作の渡来】
佐藤洋一郎『稲の日本史』
>日本の稲作が朝鮮半島からと江南地方からの2系統で伝わったことは、遺伝子レベルでの確認で確定した
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甲元眞之『日本の初期農耕文化と社会』
>韓半島では紀元前1000年頃に・・・イネの発見が多数報告され・・・麻田里遺跡や・・・無去洞玉峴遺跡などで水田跡も検出されて、・・・北部九州の・・・菜畑や曲り田遺跡出土のそれと酷似しており・・・
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中橋孝博『日本人の起源』
>北部九州で開始された水稲農耕は、その主体は半島経由ルートで流入した
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宮本一夫『農耕の起源を探る』
>近年の考古学研究によると、 稲作は山東半島や朝鮮半島に紀元前25~20世紀に伝わったことが明らかになっている
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篠田謙一『日本人になった祖先たち』
>朝鮮半島を経由して、北部九州に稲作を日本にもたらすものが現れます。
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斎藤成也『核DNA解析でたどる日本人の源流』
>朝鮮半島を中心としたユーラシア大陸から・・・第三派の渡来民が日本列島に到来し、水田稲作などの技術を導入した。
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佐藤洋一郎『イネと稲作の日本史』
>温帯ジャポニカ米=水稲は以下の3段階を経て渡来した。
第1段階 長江下流からRM1−aが起源前11世紀に朝鮮半島に伝わり、大陸系磨製石器や農具や壺や無文土器を伴い、弥生時代早期に九州北部へ渡来した。
第2段階 長江下流からRM1−bが鵜飼や四眠蚕の絹を伴って、弥生前期末から中期に九州北部に渡来した。
第3段階 長江下流から更にRM1−d~h朝鮮半島に伝わった。
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安田喜憲『稲作漁撈文明』
> ①縄文後期の 4000 年前に台湾・沖縄を経て南九州に到達する「海上の道」ルートで熱帯ジャポニカが伝来、
②縄文晩期の 3000 年前に山東半島から朝鮮半島経由のAルートで温帯ジャポニカのSSR 型 a 型が伝来、
③江南地方から直接九州に温帯ジャポニカの SSR 型b型が伝来した
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石川日出志『農耕社会の成立』
>山東半島~朝鮮半島経由か山東半島~遼東半島~朝鮮半島経由が妥当。
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藤尾慎一郎『〈新〉弥生時代』
>前 5000 年に中国江南地方河姆渡遺跡を出た稲作が北上して前11 ~10世紀に山東半島へ、そこから朝鮮半島に渡って南下し、前10 ~9世紀に朝鮮半島南西部から北部九州に伝わり、その後列島各地に拡散していく
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設楽博己『縄文時代から弥生時代へ』
>稲作は遼東半島から紀元前 3000 年紀後半に朝鮮半島中南部に達してアワ・キビ農耕と複合して華北・華中コンプレックスが生まれ、紀元前8世紀にその穀物栽培コンプレックスが日本列島に伝来した
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河野通明『日本列島への稲作伝来の2段階・2系統説』
>半島からの稲作民来住は第1波であり、それに後れて中国江南地方から第2波の稲作民来住があって、この人たちが田植え法を持ち込んで日本の稲作の基本型をつくった、つまり日本列島への稲作民移住は第1波が朝鮮半島から、第2波は中国江南地方からと2度あった
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高島忠平『文化形成 渡来人に三つの波』
>弥生時代、渡来人は大きく3波に分けてやって来たと考える。文化は担い手である人の往来により伝わる。この三つの波が、弥生、そして古墳時代の文化形成に大きな役割を果たした。
第1波は、稲作技術を伝えた人たちだ。福岡平野では、防衛機能を持つ環濠を伴う集落で稲作がなされていたが、九州の他の地域では環濠が無く小規模な営農をしており、埋葬様式も地域によって異なる。こうしたことから、日本の初期の稲作文化は、朝鮮半島から複数のルートで伝わったと考えられる。
第2波は、弥生時代前期の後半、中国系の青銅器が出現した頃。青銅器は、実用的な武器でもあり、政治的支配を示す権威にもなった。紀元前2世紀後半の北部九州で見つかっており、政治的権威を持つ社会が出てきたと推測できる。この時代は、中国系の移民が入り、彼らが政治を主導したとも考えられる。
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https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2021.10.23.465563v1.full
> there is a consensus that rice cultivation spread from the Korean peninsula to the Japanese archipelago
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金沢大学『古代ゲノミクスは、日本の集団の三者起源を明らかにする』
> wet rice farming was introduced to the archipelago by people who lived somewhere around the Liaodong Peninsula but who derive a major component of their ancestry from populations further north, although the spread of rice agriculture originated south of the West Liao River basin
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篠田謙一『人類の起源』
>稲作農耕民と雑穀農耕民が朝鮮半島に流入し、そこで在地の縄文系遺伝子を持つ集団と混合することによって新たな地域集団が形成され、その中から生まれた渡来系弥生人が、・・・日本列島に到達した
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片岡宏二『邪馬台国論争の新視点』
>弥生時代は水田稲作に代表される、大陸(朝鮮半島)伝来の渡来集団(「渡来系弥生集団」という)による新たな社会が生み出したものである。
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上垣外憲一『倭人と韓人』
>中国江南から、短粒の粳だけが朝鮮半島に渡り、半島南部、洛東江流域から北九州に至る
>加羅から稲作が齎された