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パフェを想う

パフェの思い出というと、ン十年前の中学時代の部活まで遡る
「夏の大会で市のベスト4に入ったら皆んなにパフェ奢ったる!」顧問の先生にそんな約束を取り付けさせた同級生が眩しかった

ちなみに自分は補欠選手で、本番にはめっぽう弱く、たまに試合で選手交代しても緊張で体がまともに動く気がしなかった
ちょっと切なくて屈折した気持ちを抱えていた

かくして我が女子バスケ部は見事ベスト4入りを果たし、部員総勢15人は隣町のオシャレな喫茶店を目指して自転車を漕いでいた
ジャージ姿の田舎中学生が、店のボックス席を3つか4つ占領して…大人になった気分
フルーツパフェ プリンパフェ チョコもいい
大騒ぎで選ぶ 上級生も下級生も…
先生ありがとう ご馳走になります
自分達の手にした勝利品に酔いしれるように
ワイワイ楽しくパフェを食べた
とても嬉しかったけれど
私なんか何もしてないのに…ついついそんな思いがよぎってしまう

あの頃は部活の友だちが大好きだから部活をやっていたような気がする
一緒にいたいから、それに辞める勇気もないしただ引退まで練習を続けるだけだと思っていた

あの頃の自分に言ってあげたい

私はじゅうぶん頑張ってる
私はもっと気楽に生きればいい

今日は外出には厳しいくらいの荒天だった
暴風雪で数メートル歩くだけで雪まみれになった 
そんな日にわざわざパフェを食べに行った
フルーツ専門店のパーラーで、いつも女性客で賑わっているらしい
夫を連れて行くと、入り口で怖気づいた様子
店内が女性ばかりなのを察知したようで
「お持ち帰り無いの?」パフェのテイクアウトなんかある訳ない…
席に着くと、メニューを見てちょっと考えて
いちごのパフェに決めた
フルーツパフェとどっちにするか迷ったけれど
季節的にいちごでしょ…
夫はいちごとプリンの盛り合わせ
周りを見渡すと、フルーツパフェかいちごパフェ率が高いみたい
さて、いちごパフェである
堂々のお姿!小ぶりだけれど丸ごといちごが1パック分くらい使ってある。パシャリとスマホで撮影した後、ゆっくり味わってみる
斜面にいちごが弾丸のように刺さっていて、ひとつ取ろうとすると落下の危険が!せめて生クリームが土台にあれば、優しくいちごをキャッチしてくれるだろうに、土台のバニラアイスは硬すぎるし、隠れているいちごシャーベットもいちご丸ごとを支えるには心許ない
純粋なるいちごを食べていると、パフェを食べている感覚とは違う気がしてきた
パフェってもっと、こう…色気があるものじゃないかしら?生クリームとか、美味しくないけどデコレーション用のカラフルなチョコレートとかでオシャレに飾ってみたり…

フルーツ専門店によるフルーツのためのパフェ
罪悪感の少ないパフェ
酸味のあるいちごを食べていると
ふと思い出したのだ 甘酸っぱい青春の日々を
あの夏の日を



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