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願い

たいそうなことではないけれど、着物を着るとなったらいつも億劫である。

茶道をしているので、私が着物を着る場面といえば年に数回のお茶会という場面にほぼ限られる。かれこれ10年近く嗜むお茶ではあるが、お点前もさることながら、着物の着付けは全く冷や汗もので、いつも着る数日前から練習をしたり、YouTube動画でおさらいをしたり、当日までの日々をカウントダウンしながら実際には時間を無為に過ごしてしまい、当日の朝の真剣勝負という、情けない状況なのである。 
だからどうなりたいの?というと要するに、着付けなんて衣を身に着けることなんだから、当たり前のたいそうなことではないのに、こんなにも心の負担になっていることが悔しい・・・
余裕で着物を着れる人間になりたいのだ

そもそも帯の結び方は後ろで結ぶ方法の他に、前結びで形を作ってから背中に回す方法もあり、変わり結びも様々。やり方も1つではないから、理解するまでに時間のかかる自分としては誰かのやり方がちょっと違うだけで戸惑ってしまう。とはいえ、自分に必要なものはお太鼓結びというオーソドックスなものだけ。 

実は作り帯に加工してしまった帯が2つある。ワンタッチで帯を巻けば、型崩れの心配なく5分程で出来上がりだ。着物さえ着れれば心配なし。お茶会のように朝早くから集合がかかる日には大助かりで、いつの間にか、せっかく覚えた帯結びも、すっかり忘れてしまうという悲しい現実。出番があるのはワンタッチ帯だけ、次第にその他の帯はタンスの肥やしに・・・そういうことも含め、心の負担になっていることがジワリジワリと着物へのマイナスイメージにもなっているのかもしれない。

と、この文章を書きかけて下書きを保存していることも忘れて、たぶんひと月ほど経った
仲間内の納涼茶会も無事に終えて、当日の浴衣と夏帯の着姿も、まずまずの出来だった。いつも少々の心の負担を抱えながらも和装を身に着けると内心ウキウキ、ルンルンなのである。誰が優劣をつけるわけでもなく、自分が良しとすればいいのかもしれない。でも、もっと気楽に着付けが出来たり、着ることが億劫でなくなれば、ハードルは下がっていくのになあ・・・

普段よりやや背伸びをして何か特別な日のために準備をしてみる
冷や汗と、更年期の汗と色んな汗をかきながら、すました顔でいるのは私


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